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パシ────







「っうお。え…?」






気づいたら走り出してその腕を掴んでいて。




そんな間の抜けた声を発してそのひょっとこは振り返った。




たった4日、5日、それだけ。




だがずっと恋焦がれていたその声、その姿。




驚いたひょっとこが持っていた水を落としたが、気にもとめずに体を向かせた。




面で表情は見えないがぽかんと驚いている様子。




……本当に、本当に目の前にいる。



探していた人物が、ここにいる。




しばらく見つめ合うと緊張していた肩が下がっておかしそうに笑った。





「……お面してるのになんで分かるのさ。怖いよ」






軽口すら愛しい。



やっと聞けた声。






A「…ただいま、朔間くん」



零「…A…、」






A。




ずっと会いたかった。



あの日からずっと頭から離れなくて。



モヤモヤしていて。



声が聞きたくて。



顔が見たくて。




やっと会えた。







A「帰ってきたばっかだからさ。急いで来て喉乾い…………っ!?」






Aの言葉は途中で遮られる。




途端に感じる温もりと、ふわっと香る零の匂い。






零に抱き締められていた。




あまりにも突然のできごとで思考が停止する。





今まで何度か体が触れ合ったことがあったが、これは何か違う。







A「…っえ、ちょっと…」






やっと言葉が出たが、後頭部と背中に押さえられた手に強く引き寄せられて更に混乱する。




混乱して心臓がうるさい。




段々冷静になってきて、そんなに寂しかったのかなと思い、手を零の背中に回した。




零は一瞬ピクリとして、そのままAの肩に顔を埋めた。





A「…」






いつも余裕な零が珍しいなとぼーっと考えるが、



……周りに人がいないわけじゃない。



まだ誰も二人に気づいてはいないが、このままだと色々まずい。


そのうち人は通る。自販機の前だから。




背中をとんとんと叩いて合図を送る。



すると零はゆっくりと離れた。








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(プロフ) - 大好きです!!!!!!!!!!! (2022年6月2日 18時) (レス) @page41 id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
- いえいえぇぇえええ!!全然大丈夫ですよぉおお!!こちらこそいつもありがとうございます!!新作の幼なじみくんのもあわせてこれからも楽しみにしてます!無理せずお体には気をつけて下さい更新頑張ってください!! (2020年7月17日 23時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)
Sの人 - 初めてコメントするんですけど文才凄いっすね…頑張ってください〜 (2020年7月14日 21時) (レス) id: 35c2d7115f (このIDを非表示/違反報告)
おわん(プロフ) - 絆さん» わぁんすみません…(涙) はい!1ヶ月もずっと考えてたのでもう大方…!!そろそろ出したいです!!いつもコメントありがとうございます……(大号泣) (2020年7月7日 19時) (レス) id: 71e615e669 (このIDを非表示/違反報告)
- 新しいのを考えていらしたんですね!!よかったです!!!!何かあったのかと!!!!無理せず更新頑張ってください!新しいのも楽しみに待ってます!!うるさくてすみません! (2020年7月6日 16時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おわん | 作成日時:2020年6月1日 11時

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