【あんスタ】愛が大きい3【男主】

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A「……どんな計画だかは知らないけど。

…道を示す希望の光がたったひとつじゃ脆すぎるよ。グラグラしてすぐに崩れる」





考えの穴を突いた発言に、敬人は息を飲んだ。





A「俺がいなくなったり裏切ることだって考えられるだろ。そしたら皆希望を失ってすぐ崩壊。終わるよ」



敬人「…」






何も言い返せない。


諌められるような感覚。


Aが裏切るなんて、そんなこと考えのうちになかった。


確かに、Aは裏切らないだなんて不確かすぎる確信だ。





A「…誰かに縋ってるままじゃ上手くいかないよ。自分たちで少しずつ根っこから補強していって、そうして誰に掻き回されても崩れないくらいにしてよ。」





……それはつまり、訣別の意。


お前には縋らせてくれないというサイン。



それでもずっとAの目は真っ直ぐで、今の言葉も敬人を考えてのものだったのだろう。


悪意に満ち満ちたこの世界で生きていくための術。





敬人「……そうか……そうだな。」





昔から……本当にお前は生きている世界が違うのではないかと思うほど達観している。


子供の頃から差を感じていた。


お前のその考え方と人並みならない雰囲気はどこから来るのだろうか。


ずっと少し怖かった。





A「それに買い被りすぎだってば……俺なんかより朔間くんの方がよっぽど策士だからな」





「こわい」と遠い目をする本人は謙虚で。



……確かに、えげつない策を講じたり暴いたりするのは朔間さんかもしれないとは思う。


しかしAはあまり自分をひけらかすようなことをしないから侮って見られがちだと思う。


頭の中では何を考えているのかわかったものじゃない。



すると、その重くなった空気を打ち破るかのように書類の束を机でトンと揃える音が響いた。





A「ていうか……俺明日から香港行くから学院にあんまりいられなくて手伝えないっていうだけなんだけども」




「なんか脅しみたいになっちゃったけど…、」とAはへらっと笑った。





敬人「……は？」





素っ頓狂な声が出た。



あまりにも唐突。


理解が追いつかない。






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