Slot10 ページ11
貴)でー？今は萬屋やってんのねぇ
２年前とは大違い
一)まあ、今はまともな仕事ついて弟達と暮らしてんだ
貴)そっか...あんたもうあそこいられない歳だったもんね
Aの言うあそことは一郎達が育った施設の事
一郎もAに夜中歩いていたところを補導されて知り合った
当時の一郎は施設から弟達を連れて出るために働く事だけを考えまともな生活はしていなかった
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
貴)はーい、僕何でこんな時間に出歩いてんの？
一)関係ねぇでしょ
それにもう帰るとこっすよ
一郎が取立ての仕事を始めてから朝帰りや深夜に帰ることが多くなった
そしてたまたまAが声をかけたと言うのが最初の出会い
貴)そういう訳にもいかんのよ
一応記録として残さなきゃいけないから
名前と年齢と住所、ほら
さっさと言えとばかりにメモ帳とペンを素早く取り出したAに一睨みきかせるが全く効果なし
どうせ警察に補導されたとなれば面倒くさいことになる
何故なら
一)...家なんかねぇよ
貴)あ？
一)家じゃなくて施設だ...
施設
つまり
"親がいない子"
Aはどこか自分と一郎を重ねてしまった
貴)あんた学ラン着てるけど年齢は？
一).....17
暫くは渋っていたものの早く言えば早く開放されるのではと思い年齢だけは伝えた
貴)こんな時間に何やってんの
バイト？
先程のような警官の仕事を機械的にやっているような聞き方ではなく
一人の人間として一郎を心配する声色で尋ねた
一郎もそれに気付いたのか少し恥ずかしそうに籠もったあと小さい声でだが話し始めた
一)上の弟がサッカー、下の弟が数学大会でそれぞれ優勝してよ
貴).....それ
一)？
貴)それ、プレゼントか何か？
一郎が手に持っている袋には新品のサッカーボールと最新型の計算機
一郎はこれを買うために少しいつもより遅く帰っていたのだった
一)まあ、一応な...
でも、俺からっつったらアイツら嫌がるだろうから
こっそり置いとく
俺にはそれぐらいしかできねぇし
Aにはその姿が酷く切なく思えた
自分も貰い子故義弟とどう接していいのか分からなくなる事が多々あった
貴)ちょっと待ってな
Aは近くのコンビニによって肉まんとコーラを買って一郎に袋ごと「ん」と差し出した
一)え、何これ
貴)弟のために頑張ってる兄ちゃんに私からのプレゼント
そこから一郎懐かれることになった
続く (更新停止中)
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-kanon-(プロフ) - 凄い面白いです！更新頑張ってください！ (2019年11月24日 20時) (
レス) id: f964e58a5c (このIDを非表示/違反報告)
IA - 数学私も嫌いです！面白いです!頑張って下さい！(小説あんま関係なくてすみません。 (2018年11月17日 13時) (レス) id: c646329d17 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギンサン(プロフ) - 部活ではなく部下では…？更新頑張って下さい！ (2018年11月6日 19時) (レス) id: 9bd14d6626 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鬼姫 | 作成日時：2018年11月3日 16時
