旅行。5 ページ24
「予約しようとしたら部屋が空いてなかった」だから男女で同じ部屋、というのも変な感じがするが。まぁ連れ出されて今日は本当に何もしていない。
文句を言うことは出来ないだろう。
大浴場で風呂を済ませてから私達は晩酌をしている。
…薄々気付いてはいたが、
「そんで?何で酒飲まねぇんだよ。」
既にほろ酔い状態の幹部は部屋についていた館内着を着崩しながら再び日本酒を傾ける。
色気の暴力で目が痛いんですけど。
まずあんた日本酒飲めたんですね?
「超下戸とかかァ…?」
ありえない妄想してくれている処悪いが、私が下戸なら太宰さんも下戸だぞこの野郎。
『酔いませんよ。強いので』
「じゃァ飲み比べだ。」よし来た、とばかりに上機嫌でお猪口を準備する幹部を見て、私は気付いた。
……もしかして、嵌められた??
そんな気付きは時既に遅し。
幹部は限度を知らないように飲んでいく。
『あんたのお守りは散々なんですが?』ボソッと呟くと、聞こえたのであろう。
「あ゛?なんだって?」というドスの効いた声が返ってきた。
『いーえぇー、なぁんにも。』
そんな呑気な返事をしたすぐ後の事だった。
ドサッという音を立てて、私の背中に軽い衝撃が走った。
私に降っていた電球からの光は、今や幹部の影によって遮られている。
『……は?』
「解ってた事だろうが。男と二人っきりで旅館だァ…?其れで同じ部屋って条件飲んで酒飲むなんてよ。
何も起こらねえ訳がねェって。」
幹部の吐息が至近距離で顔にかかり、酒臭い匂いが鼻を掠める。
…起こさせてたまるかよ。
中也side
遊園地では普通の少女のような姿を、そして出会った当初は俺に向けていた軽蔑するような雰囲気を俺に絡んできたギャルに向け、それが今では此奴の時間で一番笑顔を得ているのが俺だと確信するくらいに態度が緩和した。
それだけでも嬉しかったというのに、チュロスを…一口如何ですか?なんて言って反対を向けてきたとかよ。ほんと心配になる。
旅館に入れば、普段見られない少し雑な鞄の詰め方や館内着の姿を見ることが出来た。
信用してんのか、其れとも経験が浅いから分からないのか。
この際何方でも良い。
抱いてしまいたい。
そんな欲が酒によって理性を越えた。
Aの腕を片手で頭上に固定させ、上から、驚いているAを見下ろす。
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暁月臨(プロフ) - はわわわわわわわわわわわわ、、、、、!!好き過ぎます、、、!l更新頑張ってください!!! (7月15日 3時) (レス) @page26 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 駄作上手さん» 謝らないでください!図々しくてごめんなさい!他の投稿も頑張って下さい! (6月11日 20時) (レス) @page26 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
駄作上手(プロフ) - 落蕾さん» 返信遅れてすみません。申し訳ありませんが、今は他に書きかけも書きたいものもあるのですぐに出す予定はありません…ごめんなさい (6月11日 8時) (レス) id: eb19c5f4a9 (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - めっちゃコメントしてごめんなさい。続編出しませんか?めちゃくちゃ読みたいです (6月5日 23時) (レス) @page26 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - メルヘンワード、ツボに入った (6月5日 23時) (レス) @page21 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駄作上手 | 作成日時:2023年1月22日 17時