. ページ30
.
初めて司を抱いたのは、いつだろう。
もうだいぶ前のように感じる。
『けん…?』
クスリを飲ませ始めてからしばらく経つと、俺をドラケンだと錯覚するよなことが起こり始めた。
幻覚
薬の副作用だ。
それとも、限界を突破した司の精神状態がそうさせているのか。
ゆっくりと、けれど確実に壊れてゆく。
.
逃げ出せばいい。放り出せばいい。
そうして、どんどん落ちて行けばいい。
.
三途「よしよし」
その小さな頭をそっと撫でてやれば、その瞬間に司の瞳から涙が零れ落ちた。
『堅…っ、堅!』
必死に俺にしがみつき、その柔らかい唇を俺に押し付けた。
本当に、俺をドラケンだと思い込んでやがる。
控えめに押し付けられる唇に、今度は俺から嚙みついた。
無理やり口をこじ開けさせ、舌を絡ませる。
そうして俺は、司をソファへ押し倒した。
.
マイキーの味わった”虚しさ”とやらがオレも経験できるかもしれない。
そう思った。
『…ぁぁッ…そ、こ…』
三途「…ここだな」
『やぁ…ッ!?…んっ』
結果、俺は人生で味わったことのない程ゾクゾクした。
他の女じゃ、こんなの味わえなかった。
脳が痺れるほどの興奮。
シャブ以上に病みつきになりそうだった。
.
司の体はどこもかしこも敏感で、一回経験しただけとは思えなかった。
つまり、既にどれほどドラケンに開発されていたのかが覗えた。
…ドラケンは、ここまで司に手を出しておいてなぜ後から手放したのだろう。
理解不能だ。
自分のものにしてしまえばよかったのに。
236人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
太陽 - みんなが幸せな未来を読んだとき涙が止まりませんでした。本誌もこうなったらいいのに、、、 (2022年6月3日 22時) (レス) @page39 id: ee08862b1e (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - えっ!待って好き!とりあえず好き (2021年9月25日 1時) (レス) @page35 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
こうすけ - 作者さん天才かな?これ程まで自分の好みドストライクなものにはじめで出会いました。ありがとうございます、更新頑張ってください (2021年9月23日 23時) (レス) @page35 id: d00dc0a5fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:平 | 作成日時:2021年9月16日 22時