63.夢から覚めると ページ25
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――――……
目を開けると、既視感のある白い天井が視界に広がった。
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堅「…おはよう。お疲れさん。」
きょろきょろと周りを見渡すと、ベッドの傍に堅が座っていた。
夢で見たままの黒髪だ。
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…そうか。既視感あると思ったらここは病院だ。
『…あれ、確かさっきまで武蔵神社に……?』
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武蔵神社で、何してたっけ?
堅「武蔵神社?お前何言ってんだ?」
ベッドから起き上がり、堅の顔を見つめる。
堅「…っ!?司!?何泣いてんだよ!?」
『わ、かんない…どうしよう、涙が止まんない。』
見慣れているはずの堅の顔がひどく懐かしく見えて、胸が苦しくなった。
僕はずっとこの人を頭の中で追い続けてた気がする。
訳も分からずボロボロと涙を流していると、病室のドアが開いた。
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三ツ谷「入るぞ〜。…え、なんかごめんお取込み中だった?」
万「はやくいけよ三ツ谷。後ろ詰まってるっつーの」
三ツ谷「ちょっ、蹴るなって!」
突然部屋の中が賑やかになり、僕は思わずポカンとしてしまう。
馬地「これお見舞いな」
一虎「有名なケーキ屋のクッキーじゃん!後で皆で食べよーぜ!」
パー「いや馬地は司に買ってきたんだろ」
万「いいじゃん。食お!」
エマ「マイキー病院で大声出さないで!」
万「そういうエマだってうるさいじゃん」
皆が和気あいあいと話す姿をみて、また涙がこぼれた。
堅「司、まだどっか痛いか?」
『ううん。なんか…嬉しくて』
堅「はっ、なんだそれ」
三ツ谷「しっかりしてくれよー。司は”お母さん”になるんだろ?」
エマ「信じられないよね。あの司がお母さんだなんて」
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『…は?皆何言ってんの?』
堅「…は?」
馬地「まだ…本調子じゃ無ぇんじゃねーの?」
エマ「司大丈夫?」
万「おいおい大丈夫かよ」
堅「…なにかあったのか?」
『…あれ?私、何言ってんだろ?』
そう呟くと、病室は一斉に笑いに包まれた。
虎「まじでしっかりしろよー」
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太陽 - みんなが幸せな未来を読んだとき涙が止まりませんでした。本誌もこうなったらいいのに、、、 (2022年6月3日 22時) (レス) @page39 id: ee08862b1e (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - えっ!待って好き!とりあえず好き (2021年9月25日 1時) (レス) @page35 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
こうすけ - 作者さん天才かな?これ程まで自分の好みドストライクなものにはじめで出会いました。ありがとうございます、更新頑張ってください (2021年9月23日 23時) (レス) @page35 id: d00dc0a5fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:平 | 作成日時:2021年9月16日 22時