検索窓
今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:36,018 hit

63.夢から覚めると ページ25

.





.







――――……




目を開けると、既視感のある白い天井が視界に広がった。




.



堅「…おはよう。お疲れさん。」





きょろきょろと周りを見渡すと、ベッドの傍に堅が座っていた。



夢で見たままの黒髪だ。




.



…そうか。既視感あると思ったらここは病院だ。








『…あれ、確かさっきまで武蔵神社に……?』



.

武蔵神社で、何してたっけ?





堅「武蔵神社?お前何言ってんだ?」






ベッドから起き上がり、堅の顔を見つめる。





堅「…っ!?司!?何泣いてんだよ!?」



『わ、かんない…どうしよう、涙が止まんない。』





見慣れているはずの堅の顔がひどく懐かしく見えて、胸が苦しくなった。



僕はずっとこの人を頭の中で追い続けてた気がする。






訳も分からずボロボロと涙を流していると、病室のドアが開いた。



.


三ツ谷「入るぞ〜。…え、なんかごめんお取込み中だった?」


万「はやくいけよ三ツ谷。後ろ詰まってるっつーの」


三ツ谷「ちょっ、蹴るなって!」






突然部屋の中が賑やかになり、僕は思わずポカンとしてしまう。





馬地「これお見舞いな」


一虎「有名なケーキ屋のクッキーじゃん!後で皆で食べよーぜ!」


パー「いや馬地は司に買ってきたんだろ」


万「いいじゃん。食お!」


エマ「マイキー病院で大声出さないで!」


万「そういうエマだってうるさいじゃん」






皆が和気あいあいと話す姿をみて、また涙がこぼれた。



堅「司、まだどっか痛いか?」



『ううん。なんか…嬉しくて』



堅「はっ、なんだそれ」



三ツ谷「しっかりしてくれよー。司は”お母さん”になるんだろ?」


エマ「信じられないよね。あの司がお母さんだなんて」




.



『…は?皆何言ってんの?』



堅「…は?」


馬地「まだ…本調子じゃ無ぇんじゃねーの?」


エマ「司大丈夫?」


万「おいおい大丈夫かよ」


堅「…なにかあったのか?」





『…あれ?私、何言ってんだろ?』




そう呟くと、病室は一斉に笑いに包まれた。






虎「まじでしっかりしろよー」

最終話.永い夢→←62.人生最後の本音



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (73 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
236人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

太陽 - みんなが幸せな未来を読んだとき涙が止まりませんでした。本誌もこうなったらいいのに、、、 (2022年6月3日 22時) (レス) @page39 id: ee08862b1e (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - えっ!待って好き!とりあえず好き (2021年9月25日 1時) (レス) @page35 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
こうすけ - 作者さん天才かな?これ程まで自分の好みドストライクなものにはじめで出会いました。ありがとうございます、更新頑張ってください (2021年9月23日 23時) (レス) @page35 id: d00dc0a5fd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年9月16日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。