58.副作用と幻聴 ページ20
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――――……最近、誰かにずっと見られているような気がする。
万次郎と一緒に居ても、ソワソワして落ち着かない。
不安で眠れない夜を過ごしていた。
万「司?どうした?」
『…ううん。何でもない。』
それから、花火大会の日の事件以来
昔のことをよく思い出せなくなった。
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そんなある日のことだった。
武臣「この資料は燃やしとけ。あとそっちのデータも。」
望月「ちょっと長居しすぎたか。」
三途「警察もさすがに無能じゃねぇな〜」
鶴蝶「このアタッシュケース車に積んで来い」
万「急げ。時間がない。」
皆がなにやら忙しそうに部屋の掃除をしていた。
大掃除の日?
『ねぇ、何してるの?』
蘭「ん〜?今からお引越しだ」
『また?』
竜胆「コッチ手伝え」
蘭「はいはい」
ある程度の片づけが済むと、全員で大きな車に乗り込んだ。
万「車出せ」
『万次郎、僕たち何処行くの?』
三途「司、コレ飲んでろ」
僕の後ろから三途の腕が回り、口の中にカプセル剤を入れられた。
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『…ん、』
まただ。誰かに見られている感じがする。
『…ねぇ万次郎、怖い』
万「大丈夫だ。サツはまだここまで来てない。」
『そうじゃない。僕…殺されちゃう。』
三途「……?」
『狙われてるんだ。殺されちゃう。」
あまりの恐怖に全身が震える。
最近、頭の中に声が聞こえてくる。
(お前を殺してやる)
僕は殺されるんだ。
『ねぇ…怖いよ』
三途「…頻度上げすぎたか」
万「誰か睡眠剤打て」
万次郎が皆にそう指示したとき、車が激しく揺れた。
僕は更にパニックに陥る。
鶴蝶「…っ何だ!?サツか!?」
望月「ちげぇ!!右翼だ!!お前ら銃持て!!」
僕を殺しに来たんだ。
そうだ。僕の首にGPS発信機が付いているはずだ。
前に万次郎が教えてくれた。
これを取ってしまえば、僕の居場所はバレない。
知らない誰かと撃ち合いを始めた皆を横目に、僕の窓から下りると走り去った。
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太陽 - みんなが幸せな未来を読んだとき涙が止まりませんでした。本誌もこうなったらいいのに、、、 (2022年6月3日 22時) (レス) @page39 id: ee08862b1e (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - えっ!待って好き!とりあえず好き (2021年9月25日 1時) (レス) @page35 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
こうすけ - 作者さん天才かな?これ程まで自分の好みドストライクなものにはじめで出会いました。ありがとうございます、更新頑張ってください (2021年9月23日 23時) (レス) @page35 id: d00dc0a5fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:平 | 作成日時:2021年9月16日 22時