50.助けに行くよ ページ12
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花垣武道side
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読み終わる頃には、顔は涙でぐちゃぐちゃだった。
最後に書いてある”一ノ瀬A”という名前が、司くんの本名なのだろう。
きっと、この手紙は佐野司ではなく、一ノ瀬Aとして書いた最後の手紙なんだ。
ドラケンくんを好きな司くんが、マイキーくんの傍を離れない理由がやっとわかった。
堅「…なんて、書いてあったんだ?司はなんて?」
ひたすら涙を流す俺に、背中を向けたままのドラケンくんが問う。
ドラケンくんもきっと怖いんだ。司くんの本音を聞くのが。
武「ドラケンくんは、司くんのことが好きですか?」
そう訊き返すと、背中を丸めため息をついた。
しばらくすると、嗚咽交じりの返答が返ってきた。
堅「…ッ好きだ。アイツは俺の全部だ。何よりも大切だ。
俺宛ての手紙の中に、”堅には十分守られてた”なんて書いてあったが、
俺は守りきれなかった…!」
どんな時も気迫に満ちていてカッコいいドラケンくんが
俺の前で流した初めての涙だった。
武「……俺、今の司くんを…
―――いや、一ノ瀬Aさんを助けに行きます。」
過去ではなく、今の一ノ瀬Aさんの本音を聞きたいと思った。
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太陽 - みんなが幸せな未来を読んだとき涙が止まりませんでした。本誌もこうなったらいいのに、、、 (2022年6月3日 22時) (レス) @page39 id: ee08862b1e (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - えっ!待って好き!とりあえず好き (2021年9月25日 1時) (レス) @page35 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
こうすけ - 作者さん天才かな?これ程まで自分の好みドストライクなものにはじめで出会いました。ありがとうございます、更新頑張ってください (2021年9月23日 23時) (レス) @page35 id: d00dc0a5fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:平 | 作成日時:2021年9月16日 22時