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第百四十五夜 震撼。 ページ41

「……華月はこのまま安静にしておきましょう」
「──……い」

 彼女の言葉は消え入りそうで 彼が聞き返せば 彼女は俯く。

「……そんなはずはない!!!!」

 彼女の涙がぽたりとシーツへ落ちて、メルレムが彼女の背中をさすれば同時にシンドバッドが医務官を連れて入ってきた。

「A!!?」

 彼女は華月の手を強く握り 紅の瞳を赤と黒に交互に輝かせながら息を切らしていた為 彼が肩を掴んでそれを制止する。

「やめろ!!!」
「私は……私は!」

 何故だろうか

 目を覚まして以来、時々幻を見る。

 ただ紅い道を 足取り重く、歩んでは道が崩れ

 私は闇に向かう。

 その先には何時も誰かがにやりと笑っていて

 そして

 進もうとする私の手をシンドバッドが掴んで

 私はそこで必ず崩れた道から落下する

「A!」
「……!!」

 彼に抱き締められて彼女はやっと意識を取り戻した。今までの間にどうやら華月が目を覚ましたらしい。良かった、と気が緩んでしまったのか知らないが 彼女の身体から力が抜ける。
 ふらりと床へ崩れると シンドバッドは驚きながらも彼女の身体を抱き留めた。

「……何で ワタシを生き返らせたアル」
「それは貴様が……私にとって掛け替えのない人だった……から……」
「あのまま……あのまま死ねれば良かったのに!!!」

 初めて彼女が華月の怒りに触れて、心が震撼する。

「嫌だ……例え少しだけ生きられても、いつかは命火は途絶えてしまう、魂はルフに還る!!! 病で臥せたまま死ぬなんて嫌アル、そんなの……!



 ……死にたくない!! 終わりたくないよ……っ」

 涙を溢す華月の掌を優しく握ると 彼女は微笑んだ。

「大丈夫だ。きっと……」
「……やめてよ!!! 形だけの優しさなんていらない!!ワタシは自分で命火を断つ!

 だか……」

 激昂して言葉を並べ立てていると 急激に心臓がどくりと脈打つ。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 華月の声と同時に焦って医務官が入室した。

「申し訳ございません、会議が長引いてしまい……! ……その御方は!?」
「こいつが件の女性だ」

 胸元を押さえて痛みに喘ぐ華月の姿を見て 医務官が驚きに目を丸くする。

「取り敢えず薬を!!」

 医務官が薬を飲ませると、華月は落ち着きながらも血反吐を吐き出した。

「サリア……ッ

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乙姫(プロフ) - サキさん» 了解です! 有り難う御座います(^^) (2015年6月9日 18時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - 3番がいいです!! (2015年6月9日 16時) (レス) id: 2887baf917 (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - ナウシカ@トラ猫さん» わかりました! 有り難う御座います(^^) (2015年6月8日 22時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
乙姫(プロフ) - magicさん» 有り難う御座います!頑張ります(`・ω・´) (2015年6月8日 22時) (レス) id: 28e2e11b2e (このIDを非表示/違反報告)
ナウシカ@トラ猫 - 2か4、もしくは両方を合わせてくださるといいです!頑張ってください! (2015年6月8日 22時) (レス) id: 6b074dcab5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乙姫 | 作者ホームページ:三つもあります←  
作成日時:2015年4月23日 22時

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