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「いやー、シンタローくんが気づかなくて本当によかったよ!僕、意外とポーカーフェイスかもしれない・・・!」
「アンタがポーカーフェイスなんじゃなくてこいつが鈍感すぎるのよ」
・・・先輩たちが、なにげに失礼だ。いや、失礼なのは榎本だけか?
「うーん、じゃあとりあえず始めちゃおうか!ほら、ケーキもあるんだよ!!」
オレが少し不機嫌になったのを察してか、遥先輩がパン、と手を打った。
そして、その後は、誕生日の歌を歌ってもらったり、ケーキのろうそくを吹き消したりして、「これぞ誕生日」というような時間を過ごした。
そして、アヤノが口を開いたのは、ケーキをみんなで分けて食べている時だった。
「えーと、じゃあこの辺で!!プレゼントタイムです!!」
用意してくれてたのか。オレは、少なからず驚いた。
「貴音さんや遥さんも、用意してくれたんですよね?」
アヤノの言葉に、榎本は「まぁ、一応ね」と気だるげに頷き、遥先輩は、「うん!」と意気揚々として言った。
「シンタロー、誰のからもらいたい?」
アヤノが顔をのぞきこんでくる。オレは間を開けずに、
「榎本の。1番ショボそうだから」
と答えた。榎本は「ちょっと伸太郎!!」と抗議し、アヤノは「シンタロー!失礼だって!」とオレをたしなめた。
そんな相変わらずなオレたちの誕生会は、まだまだ始まったばかりだ。
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作者名:☆天香☆ | 作成日時:2019年4月15日 21時