【派生作品】演技派男子の不幸録 (ページ8)

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不幸その7　放課後【同上】ページ8

……今日はもう部活に顔を出す元気もないや……。

廊下をふらふら歩いていると、前から白衣を着た人物がこちらへ近づいてきた。

間違えようがない。ライズ先生だ。

ぼくは授業のことで少し気まずかったから、そっと背を向けて走り出した……はずだった。

背を向けていた過程で、ぼくはジバコイルに背負われた。

「え!?なにこれちょっとどういう状況ですか先生！なんでぼくをジバコイルさんの上に乗せてさりげなく化学室に連行してるんですか!!?」

「新しい薬ができたのだろう」

確かに！確かにできましたけども!!
ていうかなんで先生がそのこと知ってるの!?
まだ誰にも言ってないのに！

「今朝、生徒会の者と君が会話していたとき薬品を持っていたからだ」

あー！そんなこともありましたね!!
ぼくが緊張してたときにライズ先生は悠長にコーヒーでも飲みながらその光景を眺めてたんでしょ!?

「コーヒーではない。紅茶だ」

この場合そんなことはどーだっていいんですよ！
問題は先生が今朝の光景を見てたってところですよ!!!

というか、突然天然発動しますね。

ぼくがギャーギャー騒いでいると、あっという間に化学室にたどりついた。

中は色々な得体のしれない薬品のせいでかなりひどい匂いがする。

ぼくはようやくジバコイルに降ろされて、地に足をつけた。

「はい、新薬です。熱を軽くする解熱剤の効果を少し強めてみました！ぼくみたいな薬が効きにくい体質の人にも効くように……」

「臨床試験は？」

「まだです。今度熱になったら使ってみようと思います」

ぼくが新薬についてひと通り説明し、そのうち試してみることを伝えるとライズ先生はそうかと頷いてしばらく沈黙した後こう呟いた。

「今すぐ君が風邪をひけば、この薬の効能が試せるのか」

ん？先生？マッドサイエンティストじみたこといってますけどどうしましたか？

「よし、いますぐ滝修行をしよう」

「いや、なんでこの早春に滝修行なんか……」

ぼくは先生をなだめる。

これ真面目に言ってる。
ライズ先生、間違いなく本気だ。

「滝がいやなのか？ならみずタイプでーーー」

だ、ダメだァァァもう話通じる気がしない!!
先生ぼくに風邪ひかせる気満々だぁぁぁ！

「大丈夫だ。今回のことを欠席とは扱いしない」

そこじゃないんですよぉぉぉ!!
いや、欠席と数えられても困りますけどぉぉ！

後日、ぼくは見事に風邪を引いた。

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ネタ切れとキャラ崩壊、重ね重ねお詫び申し上げます。