【派生作品】演技派男子の不幸録

不幸その3　湿気が多い日　【ハスミさん】 ページ4

なんか今日は湿気が多いな〜。
うちの学校は石畳多いから気をつけなきゃな〜。
と思った矢先…転んだ。



ぼくの人生は物語かなにかか。



「いったー」

身を起こそうとして、顔を上げた瞬間女の子と目が合った。

ピンクっぽい色の髪の……校章から察するに一年生…。




待てよ、ぼくは転んでこの子と目が合った。

ということは


……


……



「今見てたよね!?見てたよね!?てか、君一年？あーもうぼくおしまいだ先輩としてthe endだぁぁぁ！」


どぉぉしてぼくはこんなにキマらないのぉぉぉ!!!


「……あー、と…一旦落ち着いてください。その…お怪我ありませんか？」

「怪我はないよ!?外傷はないけどね！もう心が大怪我だよ!!一生消えない傷を負ったよ！」


心配してくれてありがとうねぇぇぇ！

でもねぇ！心が痛いのぉぉぉぉ!!

今すぐ穴を掘って寮にリターンしたいよぉぉぉ!!!


「そ、そうですか……」

「めんどくさいやつだって顔してるよね!?絶対にコイツウゼェって思ってるよねぇぇ!!?」

「いや、あの…落ちついて……」




それから、押し問答続くこと約5分………。




「いや〜取り乱してごめんえっと……」

「ハスミ」

「ハスミ！」

「まったくですよ。本当、シノ先輩は仕方のない人ですね」


その一言がグサッと胸に突き刺さるが、なんとか平常心を保って

「じゃあな！」

と別れを告げる。

「…さよなら」





あれ、そういえば…ぼく名乗ってないのになんでハスミにはぼくがシノだってわかったんだろ？
　
　
　


もしかしてぼく、一年生の間でウザい奴として有名なの!?
　
　
　
　

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