【派生作品】演技派男子の不幸録

不幸その2　晴れ　【同上】 ページ3

「バートールー！」

「だーかーら！黙れっつーの！」

今日も今日とてコイツのお守り。

もうイヤだ。



道行く人が

「うわぁ…」

って顔しながらぼくたちのこと見てるし！


ぼくはこんなことしてないで、新しい台本読み込みたいの！役作りしたいの！


良い役もらったんだよ！
主演は三年生にならないとできないけどねぇ！
主人公の従者なんだよ！
一言も話さないけど、すっごい目立つ役なんだよ!!


それをしないならミミを抱きしめてお昼寝したい！




｢ねぇ、そこの君！！ポケモンバトルしませんか？！…ん？だからポケモンバトルを((……うわっ！シノ！！離して！私、あの子とバトルするんだから！！｣

「あの子の顔を見ろ！顔を！」

「じゃあシノがバトルしてよ！ほら、バトルフィールドに行くよ!!」

って言うのがお決まりの流れだけどね。



ぼくのバトルの腕前知ってるでしょ!?

もう散々なものなんだよ!?


それなのにコイツときたら

「バトルは基礎さえ踏まえれば誰でも上手くなれる！」

とかほざくんだよ!?


そんなわけないじゃん！

天は二物を与えずってことわざ知ってるでしょ!?

チフユ、国語だけは(ムカつくことに)成績いいからさ!!

ぼくは演技の能力に全てを振り切ったの！

他の能力は全くないの！



基礎さえ踏まえれば出来るっていうけどさ！

その基礎を踏まえるのにも能力が必要なの！


音痴がどんなに頑張っても上手いレベルにしか歌が上達しないように！

大根役者(台詞が棒読みの使えない役者)がどんなに頑張っても役作りがあべこべなように！

ダンスが苦手な人がどんなに頑張っても振りを覚えるのが遅いように！


まぁ、こういう人の場合観察眼がない……ってその話じゃなくて。

「じゃあ、理科の勉強しよう」

「やだ。科学とかホントにこの世から無くなればいいと思って((痛い痛い！ほっぺた引っ張んないで！ごめんて！｣

「科学なめるなよ！」

そのバトル熱を少しは勉強…特に理科に向けたらどうなんだ。
　
　
ほんっと、わかんないヤツ。
　
　
　

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