銃が好きなヨンとネガティブなイチ ページ6
「おぉ…」
普通の家って感じだ、としか言えない。先程街で見た家とは何ら変わらず、路地裏をずっと行った街の端にあった目立たない家。
黄と紫の家らしい。
「悪魔」
俺を呼ぶ声がして振り返ると、紫が玄関では無い方にいて、手招きをしている。
「え?玄関はこっちだけど…」
俺が玄関を指差すと、
「それ、僕らの家じゃないよー!」
と黄が笑う。
えぇ?この先に家なんてないし…。
そう思いながら付いていくと、家の裏に着いた。
「えっと…汚いの大丈夫?」
「あ、全然」
「猫!猫は?」
「大丈夫…だけど?」
二人の確認が終わると、紫は何かの呪文らしいものを唱え始めた。
すると、その部分だけ植物が枯れ、地面には扉のようなものが見えてきた。
「よいしょー!」
黄が蓋を開けると、暗い小さな場所があった。奥に道が続いているように見える。
二人はピョンと中に入り、四つん這いで先に進み始めた。
「え?え?」
動揺していると、黄が戻ってきたみたいで、
「大丈夫だよ!多分!おいで!」
と言われ、無理矢理腕を引っ張られて中に入れられた。
「痛っ!」
「あーごめんね!こっちだよ!」
彼に連れられてホコリの道をひたすら進む。
黄は少し光ってる気がするけど…気のせいかな?
先の方から紫の声が聞こえる。伸びをしているみたいだから、もうすぐゴールだ。
どんどん道が明るくなって行き…
「痛っ!」
出口に出た瞬間の段差に気づかなかった。
二度目の痛みだが、こっちはかなり恥ずかしい。
「だいじょーぶ?」
黄が手を伸ばすから、
「あー…ありがと…その…黄色さん…?」
と呼び方に困りながら答えた。
「あ、そっか…名前知らないのか…」
紫が気づいたみたいだ。少し安心。
すると黄が跳ねながら言う。
「あのねあのね!僕はじゅうs…」
「あぁぁぁぁぁ!!!!」
紫が今までで一番の叫びをあげ、物凄いスピードで口を塞いだ。
「ヨンは銃が好きぃ!!」
「え…あ…はい…」
激しい焦りように返事しか出来なかった。
銃とか危ないだろ…。
やっと落ち着いた紫が黄…ヨンの口に人差し指を付けて、秘密…と強く言う。
「えっと、じゃあ俺…イチ。この街一番のゴミ以下だよ」
よろしく…と手を伸ばしたイチはすぐに手を戻し、あ、ゴミと手なんか繋ぎたくないか…と呟いた。
…ネガティブ過ぎだろ、と思う。
するとヨンがイチに抱きつき、
「そんでからー!僕の一番の兄さん!」
と笑った。
イチは驚いてから柔らかく微笑んで、ありがと…とヨンの頭を撫でた。
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しおんの蜂蜜 - ありがとうございます!物理天使も精神天使も大切にしております…w (2017年10月11日 17時) (レス) id: 08bff9eebf (このIDを非表示/違反報告)
う〜たん - 天使がおるぅ…全員可愛い! (2017年10月11日 10時) (レス) id: 3891798db5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しおんの蜂蜜 x他1人 | 作成日時:2017年10月9日 8時