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落葉の祈りには本当に力があった ページ25

ガシャン
「…ん」
何かの音で目が覚める。何の音?
皿が割れる音に聞こえた。ヨンが落としたのか?
音に向かって歩いて見てみると、イチが皿を割っていたらしい。喧嘩は続いていた。
「…痛いよ兄さん」
頬から血が出ているヨンには、いつもの笑顔が無かった。真顔でイチを睨む。
「あぁ、当たった?」
対するイチは机に座って、いつもの無表情で言った。
どうやら割った皿はヨンの頬を切ったらしい。
「こんなところで仲間割れはいけないと思わない、兄さん」
常に真顔のヨンに、
「そうだね、いい加減折れてくれる?」
イチは気味の悪い笑いを効かせた。
緊張で手が震える。まるで何処かのドラマを見ているような、そんな感じに襲われた。ドアノブを握ったままの俺は、あまりの震えに
「あっ!」
扉を開けて大きく身を部屋に乗り出してしまった。
「…っ!」
二人はびっくりした様子だったけど、
「おはよー兄さん!」
「…おはよ」
しっかりと俺が見たときは、いつも通りの彼らを演じ始めた。
「…おはよう、二人とも…」
今日の空気は最悪だ。



ピリピリした二人から俺は教会に逃げ出した。
「落葉!」
教会の扉を大きく開くと、
「あぁ、イブ!来てくれたのか!」
落葉が部屋から出てくる。
やっぱりいつもより三十分も早い時間だしな…。
「今日はまだ十字架に祈りを捧げてないんだ。そこで待っててくれるか?」
俺は指差された椅子に座る。
落葉はそれを見てから、いつもの定位置で祈り始めた。
「……」
暇。
「…ありがとうな、終わったぞ」
落葉が顔を上げてこちらを見た。さっき以上の笑顔で走ってくる。
でも、
「うっ…!」
「イブ…!?」
いきなり激しい苦しみが来た。落葉が顔を真っ青にして、俺の体を支えようとする。
「が…っ…!」
どんどん苦しくなってくる。もしかして苦しいのって…
「待って兄さん!」
椴の声。椴が走ってきた。
落葉を押しのけて飛ばしてから、俺をゆっくり座らせた。落葉が押しのけられたことによって苦しさは無くなった。
唖然としていた落葉は、
「どういうことだ…?」
一人だけ理解出来ていないこの状態を逃れようとした。
「ん〜色々あるんだよ☆」
ねー♡と首を傾げてこっちを見てくるから、俺は適当に頷いた。
「そうか…そういえば、イブにも加護が付いているんだな。消えかけているが」
加護…あぁ、ヨンの。
まだよく分かってないんだよな、それ。
「そうだ、俺が加護を付けてやろう!」
「…え?」
バカが出たのかな、落葉君?
…どういうこと?

椴のshow timeは何とも奇妙だ→←イチとヨンの喧嘩はヒントが溢れている



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しおんの蜂蜜 - ありがとうございます!物理天使も精神天使も大切にしております…w (2017年10月11日 17時) (レス) id: 08bff9eebf (このIDを非表示/違反報告)
う〜たん - 天使がおるぅ…全員可愛い! (2017年10月11日 10時) (レス) id: 3891798db5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおんの蜂蜜 x他1人 | 作成日時:2017年10月9日 8時

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