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神父 落葉はバカだ ページ12

とりあえずイチに許可を貰い、人間の姿で街を歩いた。
明日からはまた練習…考えるだけでしんどい。
パッと日陰から出て、太陽の光が俺を照らす。
日光なんて久しぶりすぎで、思わず手で光を遮りながら歩いた。
「目がぁ…」
眩しいが、少し嬉しい。誇らしげにもなった。
「よぉそこのにぃちゃん!」
声をかけられて後ろを振り向くと、八百屋のような店の中からおっさんが手を振っていた。
「見ねぇ顔だな!引っ越してきたのか?」
「え?あー…そんな感じ」
「そうかそうか!まぁ挨拶代わりと言っちゃ何だが、林檎でも貰ってくれ!」
そう言うと、おっさんは籠の中からとても美味しそうな林檎をひょいと取り、俺に渡した。
わぁ…!
「あ、ありがとう…!」
「おう!何ならどんどん持ってけ!」
おっさんは屋台の裏からダンボール箱いっぱいの林檎を出して、渡してくれた。
「え、こんなに?」
「いいよいいよ!引っ越し祝いだ!お前さんの家族にも渡してやれ!」
家族、という言葉でイチとヨンの顔が浮かび上がった。
「…うん」
とても嬉しくなった。



街を歩き続けたが、この街は温かい人ばかりだ。
…俺が来たばかりのときの言いようでは予想がつかなかったが。
通り過ぎるたびに挨拶を交わし合い、人との交流を大切にしている。優しい街だ。
ふと顔を上げると、木に囲まれた建物があった。
建物の上に付いているものを見ると、十字架だった。
教会だ。
一度会った神父には、俺が悪魔だと分かるのだろうか。
気になって扉を叩いてみた。
緊張する…。
「すいません…」
年期の入った扉を開くと、十字架の前にいた神父がこちらを向いた。
「あぁ、大丈夫だぞ。どうした?」
…気づいてない感じだ。
少し自信を持った…というか調子に乗った俺は、神父にどんどん話しかけていく。
「いや〜俺さ、最近引っ越してきたんだ!ここのことよく知らないからさ!」
「そうなのか!ここは、この街唯一の教会だ。ここには子供たちが沢山来るから、街のことなら子供たちに聞くといいと思うぞ!」
この神父は人がいいな。人気というのに納得がいく。
優しげに話しかけてくる。
…俺を襲ったときの睨み顔はどこへやら。
「そーなんだー…俺さ、イブ!神父さんの名前は?」
「俺か?俺は落葉だ!」
そう言いながら、神父…落葉は手を出した。
カラ…カラ…覚えたと思う。
俺がその手を握り返すと、落葉は笑顔を見せた。
…バカっぽいなぁ。

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しおんの蜂蜜 - ありがとうございます!物理天使も精神天使も大切にしております…w (2017年10月11日 17時) (レス) id: 08bff9eebf (このIDを非表示/違反報告)
う〜たん - 天使がおるぅ…全員可愛い! (2017年10月11日 10時) (レス) id: 3891798db5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しおんの蜂蜜 x他1人 | 作成日時:2017年10月9日 8時

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