弟なんか要らなかった ２【おそ松さん】

八十二松 ページ36

トド松とご飯を食べてから一週間後の事、俺は路地裏にいる猫が気になってきた。その原因は昨日 仕事終わりに店のごみ捨てに行った時、子猫が弱りきっていたこと

とりあえずコンビニで煮干とミネラルウォーターを買って、店の小さな器に入れて その子猫にあげた


『あいつ今日もいるかな…』


今日はキャットフードとミルクを持ってきている。器は百均で買ってきたから店の器を回収できる
子猫がいる路地裏を覗いてみると、そこには先客がいた


一「ほら、煮干食うか？うまいぞ」


一松だった。昔から猫に好かれていて 一松自身も猫が好きだ
まあ、猫とばっかり遊んでいたせいか 気が付けば一松に人間の友達はいなくなったらしい


｢みゃー｣


『あ、』


そんな事を考えていると子猫の方から俺に寄ってきた。そうなると自然と一松もこっちに目を向ける訳で、気まずい空気が流れた


一「なんでここに居んの？」


『別にいいだろ』


子猫を抱き上げて優しく撫でる。猫の扱い方はよく分からないけど、俺の手に擦り寄ってくるのはとても可愛い


一「お前 猫嫌いじゃなかったっけ」


『嫌いじゃねーよ、どっちかっつーと犬が好きなだけ』


一「ふーん」


子猫を下に降ろして、キャットフードどミルクを器に出す。そんな俺を見て 一松は驚いたような顔をした


『なんだよ、俺がこんな事するのがめずらしい？』


一「べつに…」


店の器を回収して袋に入れる。全部食べたのか、器は空っぽだった
子猫の方に目を向けると、ミルクを美味しそうに飲んでいた


『じゃあ俺は仕事行くから、お前も猫とばっか遊んでないで仕事探せよ』


一「余計なお世話なんだけど」

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