弟なんか要らなかった ２【おそ松さん】

八十一松 ページ35

僕がまだ小学生くらいの頃、僕はA兄さんについて回っていた
僕はお風呂が嫌いだったけど、A兄さんとなら喜んで入った


『動くなトド松、頭洗えないだろ』


トド「だって楽しいもん！」


兄さんの手が好きだった。冷たい言葉とは裏腹に A兄さんの手は暖かくて優しかった。
兄さん達は一緒に入るのを嫌がってたけど、僕はとても楽しみだった


『つかさぁ、俺はいつまでお前の頭洗わなくちゃいけないんだ。お前ももう2年生だろ…』


トド「別にいいじゃん！自分で洗うより綺麗になるし〜」


『はぁ〜…』


A兄さんの言葉は嫌いだけど、頭を洗ってくれる大きな手は大好きだった。痛い思いをさせないようにって、深爪していたのを知っている。この事は誰にも言っていない


トド「でもいつか 僕が兄さんの頭洗ってあげるから！約束！」


『そうか、期待せずに待ってるよ』


でも、その約束は果たされていない。この会話をした数日後に、僕たち六つ子とA兄さんは大きな衝突をしたんだ
それ以降 一緒にお風呂に入ることはなくなった
A兄さんとの会話も減っていって、構って欲しかった僕は、A兄さんの地雷を踏んでしまった


トド「ねえ、なんで毎日上履き持って帰ってきてるの？」


そう聞いたら、兄さんは自分の部屋に駆け込んでしまった。聞いてはいけない事を聞いてしまったのだと、後悔した。でも遅かったんだ。兄さんの態度は、それから急変したんだ

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