Wartime Karriere158 ページ6
「俺たちにとって…アイツは大切な奴だ!アイツが望むこと叶えてやりたい…だが、現実は甘くない。俺たちじゃどうしようもないことがある。だから…俺たちは」
睨むような懇願するような目で見つめる。
「あんたに頼るしかない!」
ダンッ、と大きな音を立てて壁に押さえつける。全く抵抗しないリヴァイに不思議に思うも、エリオは止められずにいた。
「…いてぇ」
「…エリオ、やめろ」
「…すみません」
すぐに我に返り、椅子に座る。
「…過去の話は少ししか知りませんが…俺の勝手な予想です。聞き流してもらう程度でいいです。…Aの視力が無事なのは、貴方をトラウマ以上に見ていたいと思ったからではないかと思います」
「…そうか」
「あなた以外に…Aは本当の意味で心を開いていないのです。もちろん…俺だって好きな女なんですから…任せたくはありませんけど…お願いします。Aを…」
頭を下げたエリオに驚いた。アバロンも何も言わずにうつむいていた。表情は見えないが、肩が震えていた。ハァ、と溜息をはく。これまで黙っていた分、慎重に声を発した。
「お前らも男なら、好きな女ぐらい自分で奪ってみろ。お前らのいうことも納得した。お前らに頼まれなくてもやってやる。だが…譲ってもらったってのは好きじゃねぇ。本気でこい」
驚いて顔を上げるとリヴァイは挑発的な笑みで見ていた。
「…はい。わかりました。本気で行かせていただきます」
「…勝負か」
頭を上げた二人の顔は、本気だった。しかし、どこか緊張感がなくなっていた。認めた、お互いを認め合った。
「それじゃ、掃除はお前らがやっておけ。お前らの根城だ。俺は部屋に戻る」
医務室を出て自室に向かう。その途中でエルヴィンに書類を渡された。
「チッ…多いな」
自室に入るとAが自分の作業スペースで書類を、すごいスピードで消していた。見る見るうちに減っていく紙束に驚きつつも、自分の書類より遥かに多い書類を短時間で仕上げたAに舌を巻いていた。
一方Aはリヴァイが戻ってきたのに気づかないでいた。赤の他人なら気配で分かるが、気を許した人間には甘くなる。箱の中に入っていた書類も大方片付けると、ようやくリヴァイが戻ったことに気が付いた。
「あぁ、お帰り」
「お前が、だろ」
「それもそうか。んじゃ、ただいま」
「あぁ」
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6月ラビット(プロフ) - ミレンさん» そういえばこれ、5でした!またお話しましょう (2016年12月5日 19時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 6月ラビットさん» おお、そうなんですか!6章もどんどん更新しますのでよろしくお願いします!また6にコメントください! (2016年12月5日 19時) (レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
6月ラビット(プロフ) - ミレンさん» やっぱりですか(笑)私も東京喰種好きですよ〜 (2016年12月5日 19時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 6月ラビットさん» はい!喰種と、あと新兵四人組はBOF3の登場人物からです!^^;エトは完全に名前に困ってつけました…恥ずかしながら何かをもとにしか名前をつけられず、アバロンは車ですし^^; (2016年12月5日 19時) (レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
6月ラビット(プロフ) - 東京喰種好きなんですか?何となく似た場面が…エトさんも… (2016年12月4日 23時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年12月31日 0時