Wartime Karriere197 ページ45
突然の指示に動けずにいた。
「で、伝令の内容は…?」
「左翼打撃。兵士の補充を要請する」
「は、はい!」
「あと…そうだな、荷馬車護衛班で指示を待て。僕は援護に行ってくる。散!」
「「はっ!」」
それぞれが散り散りに動く。4人同時に指示を出したのは、左翼から遠ざけるため。左翼のダメージが大きいのは理解していた。
「ったくよ…バカなんじゃねぇの」
抜刀し、煙弾の上がった場所まで走る。予想していたよりも遥かにひどい状況。
「残ってる兵士はかたまれ!奇行種なら追わない!」
「副兵士長…左翼が…全滅寸前です…」
「わかってる。逃げろ。生きるために!」
いっせいの馬に乗って逃げる。撤退の支援をしながらAは奇行種を探していた。
『ぐるるるる…』
「お前か?」
万歳をした困り顔の巨人にとう。もちろん答えない。ふと、巨人の足元に目がいく。
「…なっ…えっ…エリオ…」
動かないエリオに、目の前が真っ白になる。あわてて助けに向かおうとするが、巨人が阻んだ。
「くそったれ!!」
ブレードを目に突き刺し、いったん離れる。エリオを担ぎ、馬まで全速力で戻る。
「おい!エリオ!」
声をかける。うっすらと開いた目に、安堵する。
「わかるか」
「…A…?」
「そうだ。もうすぐ本体に合流する。荷馬車までつくまでしっかりしろ!」
前にエリオを座らせ、腕の下に手を通して固定した。そのまま手綱を握って走る。
「…もう少しだ!」
「A…」
「あと少し!」
「俺を…おいていけ」
「全員で帰るぞ!」
「最後に…見えたのがお前でよかった…」
「何言ってんだ!」
お互い表情が見えない。が、Aの声が震えてることぐらい容易に分かった。
「…なんで、お前を好きになったんだろうな」
「後でじっくり聞いてやるから!」
「はは…っ」
このままいけば、間に合わないのは目に見えていた。ふと、腕に重くのしかかった。
「エ…リオ…?」
あわててゆすると、呼吸はしているが気を失っていた。リミットが迫っていることを瞬時に察する。
(間に合えば治せる程度の怪我。時間の問題…どうすればいい!)
考える。ふと、目の前の巨人に目をやる。
「…フリーがいつものスピードを出せていれば間に合ったのかな」
鎧の巨人を思い出す。
「巨人も、走れれば速いんだよな」
超大型巨人を思い出す。
「あんなにでかけりゃ、そりゃそうだ」
最後に浮かんだのは、エトが巨人化した姿だった。
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6月ラビット(プロフ) - ミレンさん» そういえばこれ、5でした!またお話しましょう (2016年12月5日 19時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 6月ラビットさん» おお、そうなんですか!6章もどんどん更新しますのでよろしくお願いします!また6にコメントください! (2016年12月5日 19時) (レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
6月ラビット(プロフ) - ミレンさん» やっぱりですか(笑)私も東京喰種好きですよ〜 (2016年12月5日 19時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 6月ラビットさん» はい!喰種と、あと新兵四人組はBOF3の登場人物からです!^^;エトは完全に名前に困ってつけました…恥ずかしながら何かをもとにしか名前をつけられず、アバロンは車ですし^^; (2016年12月5日 19時) (レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
6月ラビット(プロフ) - 東京喰種好きなんですか?何となく似た場面が…エトさんも… (2016年12月4日 23時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年12月31日 0時