【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel5

Wartime Karriere193 ページ41

「本格的に復帰したAは、班員に一人一冊ずつノートを渡した。

「今度の壁外調査、お前らは見かけた巨人の行動をすべてこのノートに書け。戦闘は僕が引き受ける。他班にも渡してある。伝達と記録を兼ねているが、巨人との索敵もあるという話もしたな」
「はい」
「僕が主に見てほしいと思ってるのは、食う、追いかける、声を出すなど、本能的な行動以外だ」
「…え？」
「例えばだ。…お前は生まれて最初に何をした」
「泣いた…のでしょうか」
「そう、泣く。これは相手に意志を伝えるためのウソ泣きだ。女がよくやるアレと同じだ。涙が出てないから見る機会があれば見るといい」
「はぁ…それで、何の関係が？」
「人間が行う本能は、意思表示、呼吸、睡眠、食事だ。そして成長するにつれ子づくりという本能も芽生える」

Aは真顔でボードに字を書いていく。

「だが、人間はこれだけでは生きていけない。遊びなどの娯楽が代表的だ。そういう本来生きていくのには明らかに必要ないことをまとめてくれ」
「なるほど…」
「わかったわー。でも、どうして私たちにそんな重要な任務をー？」
「僕が啖呵切っちまったからだな」
「誰にですか？」
「えらい人たちだ」
「…恐ろしい」

そこで笑いが起こる。どこまでも和やかな空気に、遠くで同じく説明を受けていたハンジ班はため息をついた」

「分隊長、そろそろAさんを見習って説明をきちんとしてきましょうよ」
「んー？あと少しで話が終わるからさ」
「ケイジ、諦めよう」
「モブリット…」
「あの、分隊長」
「ん？」
「そろそろ仕事しないと…」
「なに？どうした？」

≪ゴンッ≫

「Aさんが…」
「事後報告ありがとうニファ…痛いなぁA」
「痛くしてんだ。優秀な部下に感謝しろクソメガネ。モブリット、ケイジお前らは他班に説明して来い。残りは次回の壁外調査のための陣形の説明を僕らの班と合同で演習だ」
「私は？」
「お前もモブリットたちと行くんだバカ野郎…！」
「は、はい！」

拳を作り上げ、胸ぐらを締め上げる。

「いいか…お前の理想は悪くないと思ってる。だが、呑気なことばっかやってるといつまでたっても許可は下りねぇんだ。頼むから…」
「わ、わかったよA…」
((分隊長が負けた！！))
「さて、演習はじめるぞー！」
「「おーう！！！」」
((この人の班が羨ましい！！))

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