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Wartime Karriere192 ページ40

(…熱い。苦しい。…なんだこれ)

朦朧とする意識の中、ぼんやりと考える。それがA自身の脳内の中で起こっていることだとわかっていた。

「く…すり…?」

目の前に差し出されたものを見て問う。エリオの必至そうな顔に、口を開いた。口の中に流れ込んでくる液体は、恐ろしくまずかった。

≪ドクンッ――――≫

ふと、何かが起こったような気がした。いや、起こっていた。あれほど苦しかった呼吸が楽になり、汗もひきはじめていた。

「う…わ…なんだよこれ」

腹に手を当てる。あるはずの傷の感触が無くなっていた。

「…んー…ん!?目が覚めたか!」
「あ、あぁ…」
「大丈夫か!?」
「みたいだ。わりぃ…心配かけた」
「今回は…まぁ、お前のせいじゃないからな」
「…ん?」
「虎殺しだ」
「…なっ。まじかよ…」
「お前、それにしても本当に平気か?薬飲んですぐに治るなんて…」
「あ、あぁ…」

エリオの言う通り、異常なほど健康だった。まるで再生したかのように。手を動かしてみるが違和感も何もなかった。

「まぁ、元気になったなら壁外調査にも影響がいないと思っていい。…どうした?」
「あ、いや。別に」
「そうか。外でリヴァイ兵長とアバロンが待ってる。いってやれよ」
「あぁ。ありがとな」

エリオの気遣いに感謝する。エリオ自身は、牢屋に入れてでも壁外に連れていきたくはないだろう。それでも、今回の壁外には重要な意味がある。初の公式壁外調査であり、幹部として働く初の日でもある。

外に出ていくと二人がすごい勢いで迫ってきた。

「大丈夫なのか」
「足が生えてるなら」
「あぁ…俺マジで心配したんだからな!!」
「あぁ…悪い。…なんか、二人とも雰囲気変わったな」
「そうか?」
「なんか…距離が近く見える」
「そうか。A、次の壁外遠征までにフォーメーション完成させるぞ」
「了解」

離れていく二人をみてアバロンは笑った。決して嫉妬など泣けれな悲しい笑いでもない。

(なんでだろう。負けたのが悔しいと思う以上に、嬉しい。自分の愛した女が幸せになるのがうれしい。…ロマンチストか俺は)

今度は自虐的に笑った。後ろに立つエリオに、顔を向けずに話す。

「俺、Aを追いかけるのやめるわ」
「お前ならそういうと思ってたよ」
「お前は?」
「…俺は、とっくに諦めてた。いや、諦めるというよりも未練がなくなった。不思議だな」
「…あぁ」

(俺たちは最初に出会った日から)
(あいつに惚れて、あの人に負けていた)

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6月ラビット(プロフ) - ミレンさん» そういえばこれ、5でした!またお話しましょう (2016年12月5日 19時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 6月ラビットさん» おお、そうなんですか!6章もどんどん更新しますのでよろしくお願いします!また6にコメントください! (2016年12月5日 19時) (レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
6月ラビット(プロフ) - ミレンさん» やっぱりですか(笑)私も東京喰種好きですよ〜 (2016年12月5日 19時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 6月ラビットさん» はい!喰種と、あと新兵四人組はBOF3の登場人物からです!^^;エトは完全に名前に困ってつけました…恥ずかしながら何かをもとにしか名前をつけられず、アバロンは車ですし^^; (2016年12月5日 19時) (レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
6月ラビット(プロフ) - 東京喰種好きなんですか?何となく似た場面が…エトさんも… (2016年12月4日 23時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御煉 | 作成日時:2015年12月31日 0時

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