Wartime Karriere156 ページ4
「あの人…なんも変わっちゃいねぇ」
「そうだな」
「…A、お前だろ?セントの依頼を受けたのは」
「そうだ」
「…誤解、してたのかもな。セントのこと」
ポツリとアバロンがつぶやいた。
「案外、三人とも似た者同士なのかもな」
「どこが…だよ?A」
「他人に優しいとこだな」
「…ははっ。そんなの、お前が一番だ」
「そうか?」
「あぁ。…っと、エリオ」
「…あぁ」
「これで手打ちでいいな?」
「あぁ。そうだな」
「「悪かった」」
手打ちをし、部屋から出る。Aも一緒に出ていこうとするが、セントが送ってきた荷物を見ていないことに気が付く。
「なんだ…?」
箱を開ける。すると、中から出てきたのは分厚い本。
「何やってるんだ?」
「…これ、本だ」
「本?送ってきたのか」
「…医学書だ。いろいろな脳についての記述がある」
「…ちょっと見せてくれ」
アバロンがAから本を抜き取る。すごい勢いでページをめくっていく。ふと、ある一ページで手が止まった。
「…セントも根っからの医者だな」
「ん?」
「みてみろ」
ある一ページに印がつけてある。そのページに書かれていたのはトラウマや過去の出来事に対する体への影響だった。
「あの数分で…見抜いてたのか」
「さすがだな…まったく」
そこに書かれていたのは、症状は精神が不安定である状態で、大きなショックを受けたことによる、脳の防衛本能だった。つまりは、何かのきっかけで戻ることがある。
「…なるほどな」
「時間が解決…か」
「まぁ、一年は仕方ないからな」
「もう、おとなしく一年は治療をうけるさ…」
「そうだな」
溜息をついたAは、視線を扉に向けた。
「…エルヴィンにミケにリヴァイか」
「何その動物的なの…」
小さくつぶやいた二人に、エリオがニコニコしながら提案してきた。それも、筆談で。
『驚かしてやろうぜ』
『何するんだよ?』
『これを何気なくAが窓に近づいてぬるんだよ」
エリオが取り出したのは赤い液体。少しとろみがあった。
『これは?』
『馬の血だ。試験サンプルでな』
『なるほど…な』
『任せたぜA』
『了解』
液体を受け取り、窓に近づく。しかし、決して視界に入らないように壁に沿って歩いて行った。ある程度近くまで来たら、扉のすぐ隣の窓にべっとりと手で血を塗りつけた。かなりの異臭。
「…すまん、エルヴィン」
「はぁ…」
ミケが倒れたのは言うまでもない。
Wartime Karriere157→←Wartime Karriere155
34人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
6月ラビット(プロフ) - ミレンさん» そういえばこれ、5でした!またお話しましょう (2016年12月5日 19時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 6月ラビットさん» おお、そうなんですか!6章もどんどん更新しますのでよろしくお願いします!また6にコメントください! (2016年12月5日 19時) (レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
6月ラビット(プロフ) - ミレンさん» やっぱりですか(笑)私も東京喰種好きですよ〜 (2016年12月5日 19時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 6月ラビットさん» はい!喰種と、あと新兵四人組はBOF3の登場人物からです!^^;エトは完全に名前に困ってつけました…恥ずかしながら何かをもとにしか名前をつけられず、アバロンは車ですし^^; (2016年12月5日 19時) (レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
6月ラビット(プロフ) - 東京喰種好きなんですか?何となく似た場面が…エトさんも… (2016年12月4日 23時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:御煉 | 作成日時:2015年12月31日 0時