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Blutige Vergangenheit2 ページ10

数か月たって、男は薬が効いたのか日に日に元気になっていった。薬が効いたことが証明された。そのころには男から作られたワクチンを地下街で配っていた。地下街では有名な医者となった。だが、Aは所詮、知識があるだけの付け焼刃の医者だった。さらに、このときはまだ子供。それでも頼まれれば自分ができる最善を尽くして治療した。

「…ごめんなさい」
「いいえ…最後に苦しそうな顔で死ななかったのはA先生のおかげです」

このころからAは先生と呼ばれていた。救えない命も多く、そのたびに家に戻って吐いていた。初めての患者だった男は昔、地上で料理人をやっていた。そのため、Aに様々な料理を教えた。と言っても、まともな素材がないから貧相だったが。

ある日、いつものように男と食事をしているときだった。突然男は立ち上がり、深々と頭を下げた。

「Aさん。俺を助けてくれてありがとう。…だが、これ以上は迷惑をかけられない。もう、そろそろ出ていこうと思う」
「…そうしたいなら、そうすればいい」

こうして男は出ていった。だが、1人だった期間は短かった。なぜなら、新たな患者がやってきたから。

「開けてくれ!先生!」
「どうした」
「息子が…」
「…すぐに寝かせて」

父親が子供を抱きかかえてやってきた。息子の方は頭部を強く打ったことによる脳震盪で意識を失っていた。腕は折れ、体中にキズがあった。

「…こけたり落ちただけじゃこんな事にはならない。誰にやられた」
「荒らしの奴らで…根城にあった金と食料をすべて…そのとき、根城にいて抵抗した息子が…」
「そうか。大丈夫だ。この程度なら治る」

頭の部分の傷は深いため、縫い合わせた。体中の傷には消毒をして包帯でぐるぐる巻きに、骨折は添え木をして固定した。

「しばらくここにいてもらいます。でも、あんたまでを養っていられる余裕はない」
「かまいません…息子をお願いします」

男は深く頭を下げて出ていった。Aは窃盗団の幹部を助けた時に貰った飴をなめていた。

「…まさか、逃げるときに必死に手に取ってきたカバンが、こんなに役に立つなんて」

カバンの中には、かなりの量の道具と本が積み込まれていた。そのおかげで今でも続けてられる。それでも足りない時は、助けた患者の中の一人に頼んで地上から買ってきてもらっていた。

「まぁ、いっか」

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カナタ - ページ25の力強いな、が、血からになっています (2017年6月14日 17時) (レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ - 面白い…更新した。 (2017年6月2日 0時) (レス) id: aea40fe94e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御煉 | 作成日時:2015年9月3日 23時

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