【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ44)

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Blutige Vergangenheit37 ページ44

次の日には地下街に大量の憲兵が送り込まれてきた。次々と人々が捕まる中、Aたちの場所までは、まだ憲兵は来ていない。

「ここも時間の問題か」
「まったく、暇な奴らだ」
「ある意味忙しそうだがな」

ファーランとAが周りを窺う。

「そういえば、足はいいのか？」
「きつく固定すれば何とかなるが…立体起動は無理だな」
「そうか」
「どうせイザベルがそのうち壊すだろ？そんときの予備としておく」
「そうだな」

アジトに戻り、現状を報告する。思ったよりもマヌケな憲兵にイザベルは余裕な顔だったが、その他の面々は苦い顔をしていた。

「どうしたら奴らは出ていくんだろうな」
「ここじゃ犯罪歴のあるやつしかいねぇだろ…」
「…あ！」
「どうしたイザベル」
「なら、あたしたちがやっつけちまえばいいんだよ！」
「馬鹿言うなよ…奴らはいくらでもいるんだぞ？」
「…いや、憲兵にそこまで根性があるとは思えない。ただし、全員で動くにはリスクがある」
「…まったく、で？誰が行くのがふさわしいと思う」
「…そりゃ、僕だろ。地上の人間の特性は、僕が一番知ってる」

ニヤッと笑ったAをイザベルとファーランが止める。

「だけどよ、お前は憲兵に狙われてるんだぞ！？」
「なら、それを利用するまで」
「…？」

Aは袋から何かを取り出した。

「…憲兵の服か？」
「そう、これで偽の情報を流せば、出ていく」
「そのつてはあるのか？」
「アバロンに頼む。あいつならうまくいく」

今まで黙っていたリヴァイが突然Aの前に立ちふさがる。

「待て」
「なんだよ」
「アバロンには俺が伝えに行く。てめぇは情報流してずらかって来い」
「なんでだ？」
「従え」
「…わかった。なら、これをアバロンに渡しておいてくれ」

リヴァイに手紙をわたし、憲兵のジャケットなどに着替える。もともと仮面によって顔の割れていないA。前髪をしばって出ていけば誰にもばれない。

「んじゃ、行ってくる」

まずは、憲兵の捜索から行った。一人では足りないため、大勢の人間のいる場所を探す。ちょうど憲兵が集まっているところを見つけ、しばらく観察する。話し方、態度、振る舞い、すべてを真似できるようにして、飛び出す。出来るだけ、必死な風に見えるように。

「報告します！シーナにて、犯罪者の通称『血まみれドール』が目撃！なお、現在被害者は酒場にて乱闘！」