【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ43)

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Blutige Vergangenheit36 ページ43

「やっほーーい！」
「イザベル！ガス吹かしすぎだ！！」
「うわっ！」
「イザベル！！」
「大丈夫だよ！」
「はぁ…」

イザベルと共に立体起動の練習をする。いまだにガスの使い過ぎの目立つイザベルの比べ、Aは確実に上達していた。憲兵も、すでにAには追い付けなかった。そして、地下街では『血まみれドール』の名前は誰もが知っているようになった。いまだに、マントにマフラーに仮面は欠かさない。時々地上に出てアバロンにもあっていた。

「なぁ！地上ってどんなとこなんだ？」
「あ？…まぁ、明るい、かな」
「あそこよりもか！？」

地上とつながる階段を指さして言う。

「あぁ、もっと明るい。地下街にはない明るさがある」
「へー。なら、地上の食いもんは上手いのか？」
「僕の飯が地上の味だ。もともと僕は地上にいたからな」
「えっ！そうなのか？」
「あぁ。…おい！前見ろ！」

柱に激突しそうになるイザベルを無理やり引っ張る。が、アンカーが刺さったままで、体のバランスが取れずに壁に激突した。

「っ…あっ！A！」
「大丈夫だ。イザベルは？」
「あたしは…Aが…そんなことより傷が！」
「これくらい―――ッ」

起き上がろうとして、足に激痛が走る。たてないほどではないが、立体起動は難しい。

「さぁ、今日は戻ろうか」
「でも…足」
「大丈夫だ」

大丈夫、と念じて足を動かす。無理やり動かしてアジトに戻る。よろよろと歩くAをイザベルが支えながら歩く。一瞬ファーランは驚いたように見ていたが、すぐに水で濡らした布と包帯を持ってきた。

「わりぃな…」
「どうせイザベルが無茶したんだろ？」
「そ、それは！ごめん…」
「謝るなイザベル。話しかけた僕にも責任がある」

ファーランが的確に包帯を巻き、Aは体中の擦り傷を消毒する。そこへリヴァイが戻ってきた。

「おい…なんだそりゃ。えらいざまだな」
「うるせぇ。ちょっとな」

リヴァイは、手に持っていた袋をAに差し出した。

「見てみろ」
「…んあ？」

袋の中を開けると、地上の新聞が入っていた。内容を見て、Aの顔は真っ青になった。

「なんだよ…これ」
「てめぇも気をつけろ」
「イザベル、これからは僕としばらくここにいろ」
「なぁ、何が書いてあったんだ？」

字のまともに読めないイザベルは、首をかしげていた。

「…地下街の人間…それも、犯罪歴のあるやつを取り締まる。憲兵から逃げるすべのある僕らはいいが…」