Blutige Vergangenheit34 ページ41
とりあえず、上着では風邪をひくので、リヴァイたちのアジトに行くことにした。扉の前まで来て、Aの足が止まる。
「どうした」
「…」
「…大丈夫だ」
リヴァイに腕を引かれ、扉の中に入る。ファーランは驚いた顔をしたが、すぐに笑った。
「リヴァイ、さすがだな」
「…ファーラン…」
「よっ、駄々っ子」
「なんだよそれ…」
「ははっ」
ケラケラと笑いながらファーランは飲み物を差し出した。温かい紅茶だ。
「とりあえず、今日はここで休んでけよ?リヴァイに貸した服も返さなくちゃなんねぇし…アイツもお前に会いたいだろうからな」
「アイツ?」
首を傾げたAに、いきなり何かが突っ込んできた。
「いってぇ!!」
「…はぁ、またか」
「…イザベル」
「あ!あんた!!えっと…A!!」
「声でけぇよ…」
イザベルを立たせると、イザベルの頭の上に乗っているものに気がつく。
「…あんときの鳥」
「あぁ、こいつを地上に帰さなくちゃなんねぇからな!」
「そうか」
小鳥を指で軽くなでてやる。よほど大人しいのか、人間慣れしているのか、鳥はじっとしていた。
「…そういえば、僕の寝る場所なんかあるのか?ここにはベッドが三つしか…」
「あー、そうだな」
ファーランが言うと、イザベルが顔を輝かせた。
「なら!あたしがAと寝る!」
「「絶対だめだ」」
「なんでだよ!」
リヴァイ、ファーランが口をそろえて言う。
「だって、ファーランとAが寝たらせまいだろ?リヴァイの兄貴は…えっと…」
「…い、イザベルと寝るのは何でダメなんだ?」
「こいつの寝相は最悪だ。小鳥を潰しそうになるわ、ベッドから落ちて壁蹴るわ…最悪だ」
「…でも、そしたら寝る場所ねぇよ?」
「いや…えっと…」
ファーランの視線が横に向く。その視線をたどると、紅茶を飲むリヴァイ。
「僕は別にいいけど…さ」
「睡眠の邪魔しなきゃ構わん」
「…じゃ、決まりってことで」
不服そうなイザベルを宥めて奥の部屋に連れて行く。部屋にはAとリヴァイのみになった。いつの間に着替えたのか、服装は変わっていた。椅子に腰かけ、紅茶をすするリヴァイは絵になっていた。
「リヴァイ達は…なんで僕を探してたんだ?」
「さぁな。ガキを見放すと目覚めがわりぃからな」
「…そうか」
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カナタ - ページ25の力強いな、が、血からになっています (2017年6月14日 17時) (レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ - 面白い…更新した。 (2017年6月2日 0時) (レス) id: aea40fe94e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年9月3日 23時