Blutige Vergangenheit30 ページ37
「っはぁ…」
「落ち着いたか」
「おかげさまで」
しばらく時間が空き、リヴァイがAに話しかける。相変わらず警戒心むき出しだが、それでも棘はなくなった。
「おいガキ、てめぇがそこまでして、なぜ逃げるのか聞かせろ」
「ガキじゃねぇよ…。なんでかって?そりゃあんたらが答えたらしえてやるよ」
「…まったく、強情な奴だ」
ファーランが困った顔で言った。
「当然だろ?それなりの理由が無きゃ僕が追われる理由も―――ガハッ」
「おいリヴァイ!?」
突然、リヴァイはAの腹めがけて蹴りを入れた。痛みで顔をゆがませるAを見てリヴァイは笑った。
「生意気だ。立場をわきまえろ」
「はっ…ガキ一人殺せねぇ奴が…」
「てめぇは殺せるのか」
「さぁな…リヴァイの立場なら確実に」
「そうか」
すると、リヴァイは足元にナイフを突き立てた。そのナイフを見てAの顔つきが変わる。
「これ…」
「ガキすら殺せねぇ、てめぇが言ったことだろうが。なら、俺はなぜ生きている?あのとき、自分の甘さで殺せなかったから、こうなっているのだろうが」
「…そうだな。どうかしてた。いいや、そのときは仲間だと思ってたさ」
「今はどうなんだ?」
ファーランの問いかけにAは首を振る。
「仲間じゃない」
「お前の実力なら俺達の仲間を殺して逃げた方がよかったはずだ。なぜ殺さない」
「無差別殺人は、しないんで」
「例えてめぇの敵でもか」
「僕の敵なら僕がかわせばいい。ただ、僕以外の誰か弱い人の敵は僕の敵だ」
「ほう」
リヴァイの顔から笑みがこぼれる。ナイフを拾い、Aの顎を持ち上げて目を見る。Aは顔をそらして目をつむる。
「僕はきたねぇぞ」
「俺が決める」
「とうとうどうでもよくなったか」
「はっ、何誤解してやがる」
「…してねぇよ」
顎を放し、立ち上がる。Aは自嘲気味に笑った。
「ほんと、人の都合は関係ない奴だな。まったく…」
「てめぇの都合なんざ知ったこっちゃねぇが、聞いてやらんこともない」
「言わねぇよ解放しないと聞こえたのは気のせいか?」
「どうだかな」
Aは溜息を吐いて喋りだした。
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カナタ - ページ25の力強いな、が、血からになっています (2017年6月14日 17時) (レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ - 面白い…更新した。 (2017年6月2日 0時) (レス) id: aea40fe94e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年9月3日 23時