Wartime Karriere51 ページ4
ハンジとリヴァイは、あれから一歩も動かずにいた。リヴァイは頭を抱えて動かなくなり、ハンジは結局何も言えずにいた。ハンジ自身、Aを行かせるのに反対である。それでもエルヴィンの考えを否定できないから、せめてリヴァイがAを、しっかりと送り出せるようにしたかった。
「リヴァイ、Aは大丈夫だよ!ね?リヴァイが元気ないとAの気分も落ちるよ?」
「…ハンジ」
「ん?どうした?腹痛かな?」
「…俺は、どうすればいい」
「…へ?」
聞いたこともない弱々しい声に、つい変な声を漏らした。
「うーん…こうなったら、もうAは聞かないんじゃない?頑固だし」
「…なんでアイツを口減らしなんかに…王政の都合に巻き込まなきゃならねぇんだ」
「ねぇリヴァイ…もしかして…アレ、言ったの?」
ハンジの言うアレとは、憲兵からの条件。リヴァイは無言でうなずいた。
「てめぇ、聞いてたんじゃねぇのか」
「まぁ、そりゃ聞いてたけど…まさかそこまで言うとは思わなくてさ。リヴァイがそこまで他人を気にかけるのも珍しいね」
「あぁ?」
「こういっちゃなんだけど…過保護な気がするんだ。それに、Aの実力なら帰ってくる確率のが高いと思う。どうしたんだい?」
「…さぁな」
リヴァイは、そっけなく答えた。リヴァイ自身、言われてみればどうしてかわからない。わけのわからない、、もやもやに支配されていた。
「…もしかして」
「…あぁ?」
「リヴァイ、あなたは病気だ。きっと、よほどのことがない限り治らない、ね」
ハンジのニヤニヤした顔に、リヴァイは嫌悪感丸出しでにらんだ。
「まぁ、睨まずに聞いてよ。君の病気は治さなくてもいいんだ」
「何言ってやがるてめぇ…ついに頭のねじが全部パーになったか」
「いたって正気だよ?君の病気の名前は…ずばり、恋だよ!」
「…は?」
青天の霹靂とはまさにこのこと。ハンジの言葉に、リヴァイはポカーンとした。
「Aのことがたまらなく心配で、そばに置いておきたいと思う?」
「…あぁ」
「Aといると、心拍数あがらない?」
「…上がる…な」
「抱きしめたい!とか…あ、もう抱きしめてたか」
「…うるせぇ」
「つまり、リヴァイはAのことが好きだから不安なんだ。なら、そんなとこにいずに、Aの訓練手伝ってあげてきたら?」
「…あぁ」
やっと頷いたリヴァイにハンジは、何とも言えない顔で苦笑いした。
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カナタ - ページ25の力強いな、が、血からになっています (2017年6月14日 17時) (レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ - 面白い…更新した。 (2017年6月2日 0時) (レス) id: aea40fe94e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年9月3日 23時