【進撃の巨人】地下街出身の少女と地下街出身の兵士長 Kapitel２ (ページ30)

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Blutige Vergangenheit23 ページ30

リヴァイの言った意味が分からず、首をかしげた。

「お前はガキだ。正義感だけで突っ走るからな。だが、その犠牲になったやつも自分なりの正義を通してそれなのかもしれん。そいつの家族の人生まで奪う権利はねぇ。だから痛みを忘れるな」
「…どうして…何でリヴァイは僕に…そこまでしてそれを教えたかったのかよ！？怪我してまで…僕は傷つけたくなかった…」
「てめぇの人間性がなくなんねぇようにするためだ」
「ははっ。A、リヴァイなりの教え方なんだ。不器用なやつだからな」
「あ？」
「おい、睨むなよ」

ファーランが肩をすくめて部屋から出ていった。Aの身体が小刻みに震えだす。Aの腕からリヴァイに振動が伝った。涙が零れ落ちた。

「おい、どうした」
「…っ…なんもんぇよ」
「ガキだな」
「なんでそうんるんだよ」
「生意気な口は直らねぇな」
「うるせぇ…」

リヴァイから手を振りほどこうとする。だが、放さなかった。逆にリヴァイに引っ張られ、抱き寄せられた。

「なっ…放せよ！！」
「黙れガキ」
「ガキじゃ…ねぇ…っ」

抱き寄せられたまま、抵抗もせず、リヴァイの腕の中で思い切り泣いた。どうして涙が出るのかわからないが、ただ安心していた。

「…リヴァイ」
「なんだ」
「もうちょっとだけ…抱きしめて」
「はっ、本当にガキだな」
「うるせぇ」

少しだけ強くなった腕の力にさらに身を任せる。リヴァイの体温、鼓動、呼吸が伝わってきて安心できた。

「あったかいな…」
「まぁな」
「もう…いい。ありがとう」
「あぁ」

パッと離れた時、Aの目に何かが映った。

「それ、立体起動か？」
「あぁ」
「それ、乗ってみたい」
「ナイフがまともに扱えるようになったらな」
「…」
「明日教えてやる」
「わかった」

そこまで話すと、突然ドアが開いた。

「リヴァイ！大変だ…！」
「どうした」
「ダムが…倒れた！」
「症状は！？」
「高熱に、激しい咳…あとは腕が腫れてる」
「何かの虫か…診せてくれ」
「お前、医者辞めたんじゃ…」
「この中にほかに知識がある奴がいるならいいけどな」
「…頼むぜ」

すぐに飛び出していったAとファーランを見て、リヴァイは少しだけ笑った。

(変わり身の早い奴だ。おもしれぇ)