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Blutige Vergangenheit16 ページ24

「…なんで」
「憲兵に顔がばれたら、少なくとも白髪は目立つ。隠せ」
「…ありがとう…?」

Aはマントを羽織った。

「なぁ、Aも俺達の仲間にならないか?」
「…仲間?」
「まぁ、主に窃盗だけど、あんた強いからさ」
「でも、リヴァイは嫌だろ?いいよ別に」
「ガキが遠慮してんじゃねぇ。あの男が気がかりなら、顔ぐらいはここに出せ」
「わかった。また来るよ」

Aは手を振って出ていった。

「リヴァイ、珍しいな」
「…あ?」
「あんまり人に気を遣うような奴には思えなかったからさ」
「お前もだろファーラン」
「まぁ、なんか面白い奴だよな」
「…あいつは強い」
「だな、俺より力が強いのも間違っちゃいないかもしれねぇ」
「力だけじゃない。ナイフを振るときに迷いが一切なかった。あいつは…鍛えれば強くなる」
「お、なんか珍しく面白そうだな。リヴァイも人への優しさを覚えたのか?」
「バカいえ、俺は結構優しい」
「…嘘つけ」

一方Aは家の前で立ち止まっていた。

(…生きて帰ってきたはいいけど…顔出しづれぇ)

入ろうかどうか迷っていると突然扉が開いてAの顔面に直撃した。

「いでぇっ…」
「お、おい…幽霊か!?」
「足見ろ足…」
「あ、ある…てことは…」
「普通に生きてる。無傷だ。きたねぇがな」
「A…俺、言い過ぎた。本当はすげぇ後悔してた。帰ってきてくれてありがとう!」
「大げさだな…まぁ、これからは医者はやめるけどな」

Aの言葉にアバロンの笑顔がなくなった。

「なんでだよ…」
「…人を殺しすぎた。考えたんだ。この地下街ではおそらく、怪我や病気によって苦しんでる人間よりも、悪い人間によって苦しんでる人間のが多い。僕の実力なら…そういう人を助けられる」
「…お前、本気か?」
「本気だよ」
「…そうか。お前は止めても行くもんな。…だから、がんばれ」
「あぁ」

アバロンの複雑な、だけど覚悟を決めたような笑顔にAの心は締め付けられた。

「僕たち、親友だよな?」
「悪友の間違いだろ?」
「…」
「ウソウソ!俺達は、親友だ」
「やなやつだな。悪の大半はアバロンだな」
「ちげぇよ!Aだって痛いのわかっててわざとグリグリするだろ?」
「…あれは必要なことだ」
「そうですかー」
「…何が言いてぇアバロン。今すぐ足を逆向きに曲げてやろうか」
「ヤメテクダサイゴメンナサイ」

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カナタ - ページ25の力強いな、が、血からになっています (2017年6月14日 17時) (レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ - 面白い…更新した。 (2017年6月2日 0時) (レス) id: aea40fe94e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御煉 | 作成日時:2015年9月3日 23時

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