Blutige Vergangenheit13 ページ21
下層の雰囲気にAは驚いた。普通に死体が転がり、常にどこかで争い事が起こっていた。
「…なんだここは」
今まで自分がいた場所が平和に思えるぐらいの荒れっぷりだった。そこには商人はおらず、いるのは酒に溺れた奴か、力に飢えた奴だった。蛇の刺繍の男達を探すべく、Aは歩き回った。
「…あの」
「あぁん?いまいいとこなんだ」
「そりゃ悪かった。終わったら言ってくれ」
話しかけた相手は、もう一方の相手とカードをやっていた。その手には麻薬。
「終わったぜ兄ちゃん、なんのようだ?」
「ここらで蛇の刺繍の入った集団を知らねぇか?」
「情報は簡単に売れねぇんだ」
「これでどうだ」
男に、自分が男だと思われたことに内心ホッとした。Aは金の入った袋を出した。
「上等だ。教えてやる。この先に見える酒場があるのはわかるか?」
「あぁ」
「あそこは一軒酒場だが、やつらのアジトだ。だが、あんた何の用だ?」
「ちょっと話があってな。世話になった」
「こっちも儲かったぜ」
男と別れ、酒場に向かう。酒場の中は酒にたばこに血に麻薬に…とにかく何の匂いかわからない匂いだった。辺りを見回してもわからなかったため、マスターに聞いてみることにした。
「なぁ、ここを根城にしてる者たちに用があるんだ。案内してもらえねぇか?」
「あんたは」
「ちょっと呼ばれて手な」
「ついてきな」
男に愛想を振りまきながらAはついていった。奥に行くと階段があり、降りた場所には大きな部屋があった。
「ここだ。ここからは自分で行ってくれ」
「助かった。これ」
男に銅貨を渡し、奥に入っていった。中では、大勢の男が何やら励んでいた。Aが入った途端、全員の動きが止まった。
「なにもんだてめぇ」
「あぁ、ちょっと探してる人がいてね。髭の立派な腕に刺繍の入ってる人、いらっしゃるか?」
「あぁ、ボスなら奥にいるぜ」
「助かる」
さらに奥へと進んでいった。下手なことをすれば襲える距離を保って男たちはついてきた。奥の扉に手をかけ、中に入るとリランの言った特徴通りの男がいた。
「誰だ」
「Aだ。ちょっと話がってな」
「なんだ」
「この前、上の階層で女の子さらっただろ?あの子、かわいくて以前から目をかけてたんだ」
「あぁ、だがあのガキは火傷があってな。使えねぇから捨てた」
「そうか…そりゃ残念だ」
「…なっ!?」
「…死ね」
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カナタ - ページ25の力強いな、が、血からになっています (2017年6月14日 17時) (レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ - 面白い…更新した。 (2017年6月2日 0時) (レス) id: aea40fe94e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年9月3日 23時