Wartime Karriere50 ページ3
ハンジと共にリヴァイとAは団長室に向かっていた。団長室につくと、すでに全員が集まっていた。
「さぁ、会議を始めようか」
エルヴィンは書類を読みながらマリア奪還作戦(以後、奪還作戦)の説明を始めた。詳しく聞けば聞くほど、取り戻す気などないことがうかがえる。
「二割の民衆をつぎ込む。さすがに兵士抜きではいけない。だからこの中から一人、指揮に回ってもらいたい。だが、強制はしない」
「エルヴィン、俺には既に候補があるように見えるが」
ミケが鋭いまなざしでエルヴィンを見る。全員の顔がエルヴィンの方を見いた。
「さすがだなミケ。私から推薦するなら…Aだ」
「…あ?」
「へ?」
リヴァイは眉間にしわを寄せ、ハンジは首をかしげた。
「なんでだエルヴィン」
リヴァイはエルヴィンに視線で殺せそうな勢いでにらんだ。
「この中で一番、経験がないのはAだ。かといって、死なせるわけにもいかない。実力と経験を付けさせるためだ」
「まだこいつには早い」
「そのための実習だと思えばいい。リヴァイが行くか?」
エルヴィンの視線がリヴァイに向く。圧倒的な強さを内に秘めた視線。
「待ってくれ!僕が行く!大丈夫…僕ならできる」
「おい!」
「リヴァイ、本人が言っているんだ」
ミケがリヴァイをなだめるが、リヴァイの顔は不機嫌そのものだった。
「…大丈夫。僕は強い。リヴァイが鍛えてくれたんだから」
Aはリヴァイに小さく囁いた。リヴァイの顔は、納得はいっていないという風だった。
「さて、これで話は終わりだ。各自、しっかり頼むぞ」
エルヴィンの声で全員が椅子から立ち上がる。一番先に出ていったのはAだった。何も言わず、早歩きで出ていったのだ。リヴァイは、椅子からは立ち上がったものの、その場から動けずにいた。
「…リヴァイ?」
「…あぁ」
何とも言えない声音でリヴァイはハンジに返事をした。一方Aにはミケが話しかけていた。
「お前は本当によかったのか?」
「大丈夫だ。リヴァイみたいな貴重な戦力を行かせるのはエルヴィンもしたくないだろうから。それに…いや、とにかく僕は死なない。自分の任務をこなすさ」
「…お前は、何を怖がっている」
「さぁ、ね。僕は…ただ、家族を失うのが…一人になるのが怖いんだ」
「…そうか」
ミケは頷きそれ以上聞いてくることはなかった。
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カナタ - ページ25の力強いな、が、血からになっています (2017年6月14日 17時) (レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ - 面白い…更新した。 (2017年6月2日 0時) (レス) id: aea40fe94e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年9月3日 23時