Blutige Vergangenheit12 ページ20
先ほどの家から出てしばらく歩き回ったAは、ある情報を手に入れた。
『下層の方に蛇の刺繍を入れた男たちがいる』
その情報は、とても大きなものだったがAは躊躇っていた。下層に行けば行くほど無法地帯となる。つまりは犯罪が多発する地域なのだ。それだけ相手も強くなる。それは地下街では常識だった。自分の身が危険にさらされるのは間違いない。
「…どうしようか…ん?」
前を見ると商人がいた。地下街にしては真面目な商人だ。
「おじさん」
「ん…あぁ、なんだい?」
「黒い服ってない?」
「あるが…あんたには必要ねぇんじゃないか?」
「まぁ、ちょっと下層に行きたくてね」
「あんたも物好きのお人よしだねぇ。ほら、この前嫁さん助けてくれたから持ってきな」
「いや、払うよ」
「いいよ、そんなの。やすもんだからな。武人帰って来いよ」
「ありがとう」
このころ地下街ではAの名前は知れ渡っていた。医者として一流であるA目当ての犯罪も多かった。Aは黒いシャツに着替えた。Aの背にあってはいるが、首元が広く、大分だらけたシャツだった。
「まぁ、医者には見えなくなったよな」
Aは伸びていた髪の毛をナイフで切った。様々な準備をしたのち、一旦家に戻った。髪をばっさり切ったAを見てアバロンがかけよった。
「おい…それ」
「今から下層に行く」
「は…?ちゃんと説明してくれよ…」
「下層の男共を殺す」
「無茶だ!」
「じゃあどうやってリランを救うんだ!?」
「お前が危ないだろ!」
「勝つか負けるかで止まる位なら戦った方がマシだ!」
Aはメスと弓矢を掴んで飛び出していった。骨折したアバロンは動けずに座り込んだ。Aと入れ違いに、何者かが入ってきた。リヴァイとファーランだった。
「よっ、喧嘩だったか?」
「…あんたたちか。Aなら見てのとおりいないぜ」
「そのようだな。お前、Aがどこいったか知らないのか?」
「…下層」
アバロンの言葉にリヴァイの眉がピクリと反応した。
「あのクソガキ…何しに行ったんだ」
「人さらいを…根絶やしに…あいつ…」
「おいファーラン行くぞ」
「あ、おいリヴァイ!」
「あのガキがいねぇと怪我人どうしようもねぇだろうが」
「…はぁ、まぁそうか」
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カナタ - ページ25の力強いな、が、血からになっています (2017年6月14日 17時) (レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ - 面白い…更新した。 (2017年6月2日 0時) (レス) id: aea40fe94e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年9月3日 23時