Blutige Vergangenheit5 ページ13
アバロンと一緒に周り始めてから数年たった日、アバロンが熱を出したため、Aは一人で行くことにした。アバロンは心配していたが、結局笑顔で送り出した。それが、仇となった。
「…どこだっけ」
あまり行ったことのない地域で、地図や場所の特徴を聞いただけではわからなかった。戻ろうと引き返そうとしたその時。
「―――ッ!?」
「へへっ、子供じゃねぇか。白衣着てお医者さんごっこか?」
「違うッ…放せ!」
「威勢がいいねぇ。簡単に放すわけないじゃん」
数人の男に囲まれ、Aは動けなくなった。どこかに口や手足を塞がれたまま運ばれた。何をされるかわかった瞬間、体が動かなくなった。恐怖、諦め、絶望…――金髪の男に白衣を脱がされ、燃やされた。下のシャツにも手をかけられた時、ふいに服を掴む力がなくなった。同時に目の前の男が血を吹きだして倒れた。
「…なっ…」
「お前、無事か」
「…ぁ…ぁッ…」
「おい…何か喋れよ」
「おいリヴァイ、さすがに今は喋りたくてもショックが大きすぎて…」
「そんなこと知ったこっちゃねぇ。もういいだろファーラン」
「…はぁ。あんたも気を付けろよ?ここら辺は、ああいうのばっかだからな」
Aは何が起こったか理解できずに放心状態だった。ただ、助かったとわかった時、涙があふれて止まらなかった。
そのまま一旦根城に戻ってきた。ボロボロになって帰ってきたAを見てアバロンは問い詰めたが、Aは何も言わずに、ただ布団にくるまって泣いていた。そんなAを見て事情を察したアバロンは、声をかけなかった。結局、その日はAが寝てしまった。
翌日、アバロンはどうしても気になったことがあるためAが起きるのを待っていた。
「…毎朝だが、遅いな」
現在、地上なら昼近くだ。いまだに起きてこないAのごはんを用意するのがアバロンの日課になっていた。
「…はよッ…」
「おう、おはよっす。とりあえず顔洗って来い。それから飯食うぞ」
「んー…」
寝ぼけてるのか、ふらふらと水場にAはむかった。戻ってくると、机の上には料理が並んでいた。
「いただきます…」
「…なぁ、A」
「ん…なに」
Aが食べ始めたのを確認してアバロンは質問を始めた。Aは食事の手を止めずに返事をした。
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カナタ - ページ25の力強いな、が、血からになっています (2017年6月14日 17時) (レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ - 面白い…更新した。 (2017年6月2日 0時) (レス) id: aea40fe94e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年9月3日 23時