Blutige Vergangenheit3 ページ11
「…んっ…わぁ!?」
「…おはよう」
「だ、誰だよあんた!」
「A。医者」
「…医者?」
「あんたは襲われて頭を強く打って気絶した。それ以外にも骨折に切り傷エトセトラ…まぁ、目が覚めたならものを食べられる。すぐに治る」
「…父さんは!?」
「そのうち来る。目を覚ましたなら食べて」
Aは小麦を練って作ったパンを渡した。
「あんた、名前なに」
「オレは…アバロン…アバロン・アルファード」
「アバロン、体の調子は」
「足がいたの以外は…」
「頭痛は」
「ない…」
Aの声に感情がなかった。冷たく、凍り付きそうな声だった。
「それなら松葉付けを使えば動いていい。後ひと月で戻っていい」
「そうか…ありがとう」
Aはアバロンの礼に答えなかった。その代り、一つの飴を投げてきた。アバロンはパンを飲み込んで飴を口に入れた。
「…甘い」
「飴だから」
「オレ、初めて食べた」
「あっそ」
「…なぁ、なんでそんなに冷たい言い方するんだよ?」
「…別に」
アバロンの質問にAは驚いたように目を開いたが、すぐにいつもの顔に戻った。アバロンの包帯を取り換え終わった。
「今から少し出かける。外出したら殺す」
「物騒だな。そんなことしねぇよ」
Aは黒い鞄を持って出ていった。外に出てしばらく歩く。
「…どこだっけ…んっ!」
地図を確認しようとした時、何者かに口をふさがれた。
「大人しくしろよ?」
数人の男に囲まれた。
「…放せ」
「言うこと聞くとでも?」
Aはすきを窺ってカバンの中から注射器を取り出し、男に突き刺した。
「いっ!!てめぇ!」
その隙を狙って全速力で逃げる。すぐに根城に戻り、鍵を閉める。
「…どうしたんだよ?A」
「…静かに。奥の部屋に入って隠れろ」
アバロンに指示を出す。奥の部屋に入ったのを確認して、座り込んだ。だがすぐに足音が近づいてきたため、メスを手に持つ。
《ドッ》
扉が叩かれる。壊れるの時間の問題だった。そして、ついに扉が壊れた。
「てめぇ…さっきはよくも」
「…おい、こいつ医者だぜ!」
「何?こりゃ売れるな」
「…出ていけ」
Aはメスを突きつける。だが、男である相手には敵わず、その場で抑えられた。
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カナタ - ページ25の力強いな、が、血からになっています (2017年6月14日 17時) (レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ - 面白い…更新した。 (2017年6月2日 0時) (レス) id: aea40fe94e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2015年9月3日 23時