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Wartime Karriere29 ページ31

壁外調査が明日を当日に控えた調査兵団では、あわただしく書類検査や訓練などが行われていた。一方Aは、依然目を覚まさず、カムリ含め、犯行に関与した疑いのあるものは全て投獄された。

「せっかく君と仲良くなれたと思っていたのになぁ…」
「Aは感情をむき出しにせずに行動すると思っていたな」
「地下街では、何人もの人を助けてたんだからね…でも無茶しちゃうよ本当」

ハンジとミケが仕事の合間を縫っては見に来る。リヴァイも見に来るが、仕事の多さゆえに顔を出す回数は分隊長の二人に比べ少なかった。

「あれ?これは何だろう」
「…あぁ、それはAのものだ」
「なんでこんなとこにナイフ…?」
「何かAの大切なものを持ってくるように頼まれたリヴァイが選んだものだ」
「なるほど」
「片方は、俺たちがリヴァイを地下街から連れてくるときにAに渡したものだ。だからこそAは大切に持っていたのだろう」

ミケもハンジも、静かになる。部屋にはAの呼吸の音と風の音しかしなかった。

「そっか…なんか、悪いことしちゃったって気にもなるね。それにしても…Aって不思議だよね」
「どうしてそう思う」
「なんか、あんなに不愛想なのに、いつの間にかみんながAのこと気にしてる。まだ入ったばかりの新兵に、リヴァイの班もずいぶん心配してたしね」
「そういえばそうだな。もっとリヴァイみたいに馴染みづらいと思っていた」

ふと、ハンジが何かを思い出したように話す。

「イザベルも…こんな感じだったよね。まぁ、あの子はさすがにここまで馴染まなかったけど」
「イザベル?」
「ほら、リヴァイと一緒に地下街から来た赤い二つ結びの子だよ!元気いっぱいの」
「あぁ」
「家族って言っていたな。Aの中ではリヴァイは兄貴だそうだ」
「リヴァイが?いやいや…まぁ、そうかもね」
「今じゃたった一人の家族か」

ぽつりとミケがつぶやく。ハンジもうなずく。輸血による副作用はなかったものの、脳のダメージが大きかった。いつ目を覚ましてもおかしくないが、逆にこのまま目を覚まさない可能性もあった。目を覚ましても記憶障害や身体障害が出る可能性もある。すべては運次第。

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ミレン(プロフ) - カリンさん» ありがとうございます!頑張らせていただきます! (2017年1月25日 7時) (レス) id: b76c4cbd4b (このIDを非表示/違反報告)
カリン - 本当に楽しい作品です!頑張って下さい (2017年1月24日 23時) (レス) id: 156ef3ff5c (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - お気に入りの登録してくださった皆様、ありがとうございます!決してなりすましではありません;;w心の底から目を腐らせてしまったことへのお詫びと、見てくださった感謝を申し上げたいと思います。 (2015年11月24日 23時) (レス) id: dbdaa525d4 (このIDを非表示/違反報告)
未恋ハンジ(プロフ) - ここに何かコメントおいてってくれると駄作者が犬のように喜んで駆けずり回ります☆ (2015年8月23日 16時) (レス) id: e4550b7e27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御煉 | 作成日時:2015年8月22日 23時

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