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一日目 ページ2
気がついたときは夜だった。
壁にかかっていた時計が八時半を指していたし、
戸下の隙間から見える廊下から漏れてきた、
微かな光に照らされている部屋も薄暗い。
壁によりかかるようにして眠っていたからか、
やけにだるい体を動かすと、
体内で骨が静かに音を立てた。
薄暗さに慣れてきた目で周りを見渡す。
ここが自分の部屋ではないことが把握でき、
同時にここに居る理由も思い出した。
今日もいつもと大して変わらない日常だった。
いつものように授業を受け、
いつものようにクラスメイトと弁当を食べ、
いつものように帰宅してきた。
……していた途中だった。
向こうから交番の警察官が歩いて来たが、
見慣れた顔だったからか、何も疑わず
通り過ぎようとした途端。
ハンカチか何か布を嗅がされ、
これ吸っちゃあかんやつや、なんて思っても
時既に遅し。
朦朧とする意識の中で最後に見たのは
知らない男の、赤に染まった眼だった。
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作者名:久音 | 作成日時:2018年2月21日 21時