第59話 ページ9
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「え…?」
ペトラは戸惑い、涙を浮かべながら
静かに俺の話を聞いていた。
本当にすまないと頭を何度も下げるが、
ペトラは「顔をあげてください」とその度に言う
「お前の時間を無駄にしちまったな…」
「無駄なんてことありませんよ。私は…リヴァイさんと少しでも愛せたこと、凄く貴重な…大切な宝物です」
「……幸せにな」
「…リヴァイさんも」
最後は笑うが、俺が部屋の外へ出て行った瞬間に声を堪えて泣き出す声が微かに聞こえた。
その声に胸が締め付けられ、
苦しく、死んだ方がマシだとも思った。
だが、これ以上にAへ伝える時は苦しくなる。
そしてこれから兵士として生きていくのも、
どれ程の痛みや苦しみが待ち受けているのだろうか
それが俺に対する定めならば、素直に受け入れ、この腐った世界に、人類の為に、このクソな心臓を捧げようじゃねぇか
*
「やっぱり…私のせいだ」
「…なら、お前はずっとあのまま囚われ続けたかったってか?」
「違うッ…そうじゃないけど……でもッ私のせいでリヴァイさんがそんな覚悟しなくてもッ」
「…俺は後悔なんざしねぇぞ、お前の為なら」
「ッ…死んじゃうかもしれないんですよ?」
「……そうだな」
「二度と会えないんですよッ…?」
「…ちゃんとエレンの言うこと聞けよ、てめぇは少し言えばあーだこーだ言いやがるからな」
そう笑い頭を撫でてやれば、
Aはその手を握りしめ涙を流していく
「ごめんなさいッ…リヴァイさん」
「…謝るな」
「ッ…リヴァイさん」
「ん?」
「…好きでした、貴方のこと」
「……」
「もう会えなくなるなら…今までの気持ちを伝えること…どうか許してください」
とうとう、声にした「好き」という言葉。
気づかなかったと言えば嘘になる、
お前が俺に向けていた感情を。
だが、それはいけないことだとお互いが理解していた為に、口にすること、そして言動に現すことを必死に我慢していた
暗黙の了解というやつだ。
なのにコイツは…
「ずるい奴め」
愛しい人に「好き」だと言われて、
俺もだと言わない奴がいるだろうか。
本当に最後の我儘を許してくれた
Aを抱き寄せ、息を吸う。
そして今まで我慢していた言葉を呟くのだ。
「好きだ、A…好きだった」
好きだった。
俺らの感情は過去形でなければならない。
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ゆかり(プロフ) - 途中からずっと泣いてましたwwはてなさんの作品読ませてもらってとても感動しました。ほんとにありがとうございます。 (2021年5月23日 21時) (レス) id: 927c3428d3 (このIDを非表示/違反報告)
はてな(?)(プロフ) - さき。さん» ご観覧、ご感想ありがとうございます。感動して頂けて凄く嬉しいです!私も、さき。様の言葉に泣きました…。本当にありがとうございます。 (2021年4月15日 18時) (レス) id: 2bed4e8e7b (このIDを非表示/違反報告)
さき。(プロフ) - すごく好きです…!悲しく、苦しい恋もありながら、とても綺麗な終わり方で…思わず泣きました…。こんな素晴らしい作品に出会えたことを嬉しく思います!!! (2021年3月9日 23時) (レス) id: bc9aead4c2 (このIDを非表示/違反報告)
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