興味のないフリをして (ページ8)

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尚大side

尚大〈次はいつ家来るの？〉

Aが昨日帰ってすぐそう送ったLINEにはまだ既読すらついてない。

どうせ家に帰ってシャワーでも浴びてそのまま男の家へ行ったんだろう。

自分の彼女じゃないから仕方ない、そう言い聞かせるけど心の奥底では嫉妬とかいう醜い感情がある。

《しばらくは行かないかも》

やっと返事が来たと思ったらそんなLINE。

Aがそんなことを言うことは今までになかった。

大体しばらく予定があってすごく先になっても必ず日付は指定してきた。

尚大〈なにかあった？〉

《もう少し待って欲しい》

嫌な胸騒ぎがした。

もしかしたら、このままAは渉一筋にでもなるのかもしれない。

もしくは他の男と…。

考えるだけでも嫌になる。

他に何人男がいたって、それでもAが自分のことを少しでも見てくれていたらそれでいい。

だからいつまでもふらふらと色んな男のところへ行っていい。

きっと1人だけ選ぶとなると自分は選ばれるわけが無い。

．

それからその日のレッスンはずーっと頭がその事でいっぱいで沢山怒られた。

それは渉もだった。

渉「なぁ、ちょっといい？」

尚大「どうしたの？」

休憩時間、渉に声をかけられた。

渉「なんかあった？」

尚大「なんもないよ。

今日ちょっと調子悪い日かも。」

渉「そっか…

俺Aにさ、しばらく距離を置こうって言われたんだよね。」

尚大「…え？」

てっきりしばらくは渉との時間を過ごすのかと思っていた。

渉「ま、ここ最近返事は遅いし会ってないし、元々距離置いてるようなもんなんだけどね。」

尚大「Aちゃん何かあったのかな。」

渉「分からないから知ってるかと思って聞いた。」

尚大「なんで俺？」

そう問いかけると呆れた顔で、

渉「俺全部知ってるよ。」

そう言った。