王子役:シュウ ページ9
「スタートっっっ!」
桃谷監督の声と共にオーディションが開始する。
「やぁ、A。俺と踊らないか?」
シュウは私のことを本名A、で呼ぶらしい。
「もちろんです!」
今回も例によって私のキャラを変えてみる。
(このキャラはちょっとバルトの時とかぶってるかな…?)
「せっかくだ、海の方で踊ろう」
穏やかな微笑みを向け、私の手を優しくとり浜辺へとエスコートする。
「砂浜でその靴は踊りにくくないか?俺も靴を脱ぐから、Aも靴を脱いだらどうだ」
「そうですね!」
お互いに靴を脱ぐ。
裸足を砂の上に置くのは今日で3度目なので、その感覚にはもう慣れた。
「ではお手をどうぞ」
私は差し出されたシュウの手を取って踊り始めた。
シュウの白くて少し長い髪がふわりと風に煽られる。
(シュウの顔、綺麗だな…//)
私がシュウの顔を見ていると、ふとシュウと目があった。
「A、そんなに見つめられたら恥ずかしいだろ?」
本心のセリフなのか、心なしかシュウの顔が赤い気がする。
「すみません…!」
私は軽く、ニコッと笑う。
シュウも笑い返してくれる。
「ゴーン、ゴーン、ゴーン…」
例の鐘の音。
「私、もう帰らないと!」
踊りをやめ、手を振りほどき行こうとする私。
「A!待て!何か事情があるなら話してくれ!俺のことが嫌いになったか?俺は、もう少しAと踊っていたい!」
シュウが立ち去りかけている私に叫ぶ。
「…ごめんなさい!私だって踊っていたいですよ!けど…この綺麗なドレス、元々ボロボロなんです。親切な魔法使いさんが魔法でとても素敵なドレスに変えてくれたんです。でも、その魔法も12時まで…。」
海ぎわまで移動して、体育座りをして顔を見せないようにする。
「ほら、今ボロボロのドレスになったでしょう?家族に破かれ、なんとかして舞踏会に来れたのに…こんな服で貴方のような人と踊れませんよ…」
涙混じりの声うずくまっている私。
「誰もそんなこと言ってないだろ?俺はどんな服を着ててもいいから、Aと踊っていたい。それじゃダメか?」
「ダメじゃないです…!」
私は顔を上げ、ニコッとする。
「やっぱり笑顔が1番だな」
シュウが私の頭をなでなでする。
(少し恥ずかしい…//)
「俺の隣で毎日その笑顔を見せてくれ」
指輪の箱を開いて、私に向ける。
「はい!」
「カーーーット!」
桃谷監督の声が響いた。
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ゆい(о´∀`о) - 瀬央さん» 最高なんて言われるなんて!嬉しいです!応援ありがとうございます! (2018年10月20日 0時) (レス) id: a29e17b9c7 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央 - わー素敵!シュウ様最高でした!応援してます! (2018年10月19日 20時) (レス) id: 8900a37839 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(о´∀`о) - 瀬央さん» ありがとうございます!頑張りますね!! (2018年10月18日 22時) (レス) id: a29e17b9c7 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央 - あ、一番右のお星様、押させていただきましたよ♪ (2018年10月18日 22時) (レス) id: 7188a9c310 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央 - シュウ様はやく見たい♪ 更新頑張ってくださいね! (2018年10月18日 22時) (レス) id: 7188a9c310 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆい(о´∀`о) | 作成日時:2018年10月8日 7時