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目の前にコトリとほかほかと湯気のたったグラタンが置かれた。茶色く焦げ目のついたチーズが何とも食欲を促進させる。…すんげえ美味そう。



「分量ちょっと間違って、誤魔化すために増やしちゃったから…食べ切れそうになくてさ」



そう言って自分の分も置いて座った。


ウチで食べてく?と誘われて断る理由のない俺はすんなり頷いて部屋にお邪魔した。
一人暮らしのAの部屋は、キッチンとバスルーム、トイレがついてる以外はかなり簡素な部屋で、元々あまり物を置かないAの実家の部屋と雰囲気は対して変わらなかった。


モノトーン調に揃えられたシンプルな部屋は、目に優しく居心地は良さそうだ。



「食って、いいかァ?」

「どうぞ。味は保証しないからね」



もう限界だと言わんばかりに、早急に頂きますと手を揃えるとがっついた。


チーズを崩すとでてくるとろりとしたホワイトソース。じゃがいもや、人参がほろほろと崩れ、たっぷり入ったマカロニは柔らかい。上に乗ったパンはサクサクで、熱いけど美味い。めっちゃ美味い。




顔を上げると、目の前でじっとAが見ていた。



「…………おいし?」

「くそうめェ」

「そ、なら良かった」


Aもモコモコと食べすすめた。食べてる姿は相変わらず小動物みたいである。

俺はと言えば取り分けられた分をさっさと食べ終えてしまった。お茶をのんでいると「おかわりあるけど……」とボソリと言ったので、「いる」と二杯目をよそってもらうのだった。




「Aは、バイトはしてるのかァ」

「してるよ」

「今日は」

「今日はオフ。講義の少ない平日と、土日はまばら」

「そーかィ」




Aは自分の分を食べ終えると、「ご馳走様」と立ち上がり流し台に皿を下げに行った。



「………わたし、お風呂入るから。食べ終わったら適当に帰ってていいよ」



そう言って、バスルームに着替えを持って消えていってしまった。


今日のAは機嫌が良いのか悪いのか正直分からない。夕飯はご馳走してくれたが、必要以上な会話は全くする気は無さそうで。あげく、自分は風呂入るから食べたら適当に帰って良いと言う。



(今帰ったら風呂入ってる間誰が鍵閉めんだァ)



あまりにも危機感の無い幼馴染に、俺は溜息をついた。風呂出るまで待ってるか。

俺も食べ終わった皿を流し台に入れ、折角なので皿も洗っておいた。




待っている間、特にする事が思いつかないので適当にスマホを眺める事にした。

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ふぐひらめ - はぁああぁ……最高……(溢れ出る幸せ) (2021年12月5日 22時) (レス) @page21 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
星空 - 続きが気になる!更新頑張って下さい! (2021年3月5日 8時) (レス) id: 8e029f144e (このIDを非表示/違反報告)
あゆゆ - ぎゃぁぁぁぁっっ!!え、死ぬんだけど笑笑実弥が一番好きなのでもう心臓もげそう笑続きめちゃ気になるー!!更新頑張って下さい! (2020年11月28日 1時) (レス) id: b8364d44bb (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - 花さん» 小鳥ちゃんの愛称で呼んで頂けて嬉しいです…!ツンデレ小動物小鳥ちゃんこれからも宜しくお願いします! (2020年11月20日 22時) (レス) id: d7b92a39ba (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - おはぎとだんごさん» 嬉しいです…(号泣) (2020年11月20日 22時) (レス) id: d7b92a39ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷雨 | 作成日時:2020年11月10日 13時

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