［あほの坂田。］仔犬拾いました。~another story~ (ページ1)

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私達が結ばれてから少し後のこと。
坂田くんは以前よりもふわふわになって、私も以前ほど気を遣わなくなっていた。

ご飯担当も分けて、掃除場所も分けて、お休みの日は2人でお出かけして。

そんな日常が光の速さで過ぎていく。
気づけばもう12月の頭

「冬ですねぇ」

私に寄り添って呟く坂田くん
ギュッと握られた手の温もりを感じて、彼の肩に頭を預ける

「どしたん、急に」

「……寒いもん」

「くっついとったら寒ないやろ」

そうだね、と笑うと彼も嬉しそうに笑う
テレビから流れる音にふと耳をやると、もうクリスマス特集が始まっていた。

CMなのかな？
クリスマスケーキの予約を開始しますと宣伝している

「もうクリスマスだね」

「ほんまや、俺初めてやわ」

「…何が？」

「……大切な人と一緒の…クリスマス」

そう言って坂田くんは照れくさそうに微笑んだ
そんなの私もだよ、と心の中で呟く

「てか、早く雪降らへんかな」

「寒いからやだ…」

「ホワイトクリスマスがええもん」

「当日降るかわかんないよ？」

「……そっか」

窓の外を見てしゅんとする坂田くん。
…そんなに雪が見たいのかな
思わず笑ってしまう

そんな私を見て坂田くんは目を丸くする

「なに、なんで笑ってんの」

「い、いや……可愛いなって…ふふ」

「もー…恥ずいやん」

耳を赤くする坂田くん。
それを見てると、幸せだな、なんて感じるの。