Question FINAL ページ36
とある休日。私はあやめちゃんを誘い、ファミレスで一緒にランチをしていた。
女子が二人以上集まってする話と言えば、もう相場が決まっていると言っても過言ではないだろう。
『──で、彼も少し積極的になってくれたんです! それがもう嬉しくて』
「良かったじゃない、努力した結果よ」
『あやめちゃん、本当にありがとうございます……!』
彼女には頭が上がらない。まぁ、時々変なアドバイスもされたけど…大半は真面目に回答してくれた。今回の進展は、彼女なしでは成し遂げられなかっただろう。
お互いまだ勝手が分からなくてやきもきしていたけれど、少しずつ素直になれたらいいなぁ……なんて。
ふわふわした考えを巡らせていると、「んで」とあやめちゃんから声がかかる。
「次の段階はいつするの?」
『へ、次?』
「×××よ」
『ちょッ──!?』
思わず情けない声が出る。そりゃそうだ、まだ日が高いうち、しかも休日で子連れやマダム達が多くいる中で気軽に出していい単語じゃない。
というか、いきなりすっ飛び過ぎではないだろうか。え、私が知らないだけで、世のカップル達はトントン拍子でそんなところまで行ってしまうの?
『い、いや、まだそういうのは』
「甘いわね。先延ばしにしてると、いつまでも出来ないわよ!」
『う……えっと、どうすれば……?』
恥ずかしさでどもってしまい、気のせいか顔に熱が集中する。周りの目が気になり、背中を丸めて縮こまってしまう。
そんな私とは対照的に、あやめちゃんは突然席を立ちあがって目を爛々と輝かせて語る。
「××を××して誘惑して×××──」
『声大きい! シーッ!!』
興奮して喋る彼女を慌てて制す。もう頭の中は混乱して、顔からは火が出そうだ。
周り他のお客さんいるから、と落ち着かせて席に座らせて、改めてコソコソと耳打ちで言うようにした。
『ど、どうすればいいんです?』
「色んな方法があるわ。仕草、香水、下着……」
『下着……!?』
「あら、下着がご所望かしら」
あっ……不味い、墓穴を掘ってしまった予感。
あやめちゃんは食べてたコーヒーゼリーの最後の一口を食べ終えると、私の手を引きく言った。
「この後とっておきの勝負下着選びに行くわよ!」
『え、えぇ!?』
まだまだ奥手な私。今はこうやって他人からの後押しがないと行動できないけれど。
──いつかきっと、自分の素直な気持ちを伝えられるようになって、貴方を夢中にさせてみせますから。
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うp主(プロフ) - 雫さん» コメントありがとうございます。恋愛要素としては随分あっさり気味な気もしますが、終さんの性格上これくらいが丁度よさそうだなと思って書きました。楽しんで頂けて良かったです! (2020年8月20日 13時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
雫 - めちゃんこ面白かったです!終兄さんが可愛すぎて禿げました(( (2020年8月20日 0時) (レス) id: 8419f9d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
うp主(プロフ) - ゆるさん» 遅レスすみません。ありがとうございます!今後終兄さんの夢小説がもっと増えたら良いな…と思う今日この頃です。 (2020年8月14日 14時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - 終兄さんカッコイイ…!面白かったです! (2020年5月13日 17時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
復活のU(うp主)(プロフ) - ロリコンじゃないシスコンだZ!さん» コメントありがとうございます。終さんかっこいいですよね、夢小説もっと増えても良いのになと思う今日この頃ですw 更新速度はムラがありますが、どうか気長に待って頂けると嬉しいです! (2018年6月25日 2時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うp主@
作成日時:2017年10月22日 15時