【銀魂 夢小説】Q.無口でシャイな彼を夢中にさせるには？【斎藤終】

Question26 ページ31

『き、綺麗な個室ですね……』



床が畳張りで、テーブルは漆塗りの木。高そうな壺と掛け軸が掛かった個室に案内された。

ほんのり畳の香りがする……わざわざ定期的に新品のに取り換えてるんだろうか。

座布団に正座で座り、メニュー表を眺める。ファミレスしか行った事のない人なので、金額を見て改めて驚愕……マジで財布の中身足りないという。



『終さん……よく予約なんて取れましたね？』

「〈お偉いさんとの食事でお世話になってるから、顔と名前覚えられてたんだZ〉」

『ここの店員さんと顔馴染みとかすっご……』



そうだよね、真選組は将軍様の護衛とかする事あるんだもんね。

お代は彼が持ってくれるそうだが、何だか申し訳なくて頼もうか迷う。料理じゃなくてお酒だけでも良いかな……。

……と思ってアルコールのメニューを見たら、吃驚仰天。一番安い日本酒でも4桁する。

というか、私あんまりお酒強くないんだった……どうしよう。



「〈どうしたんだZ、そんなメニュー表睨みつけて……〉」

『あ、いや……全部お高いもんで、終さんに申し訳ないなぁと』

「〈私が勝手に予約して、勝手に連れてきたんだから、気にしなくていいんだZ〉」

『ほ、ほんとに良いんですか……？ それじゃあ、お言葉に甘えますね』



ここまで言ってくれてるし、素直に甘えてもいいかもしれない。改めてメニュー表に視線を落とした。

値段に目を瞑れば、どれも美味しそうだし中々品数が多くボリューミーだ。

あまり冒険し過ぎない方が良いよね……数ある料理を隈なく見ていると、ふとある品が目に留まった。



『んー……じゃあ私、この金目鯛の炊き込みご飯のセットにします』

「〈分かったZ〉」



炊き込みご飯……家であんまり作らないし、こういう料亭のって凄く美味しそう。なんて、単純な理由だけど選んでみた。

無事料理も頼み、後は待つのみとなった。……沈黙というのも何だから、と私の方から口を開く。

Question27→←Question25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す