Question25 ページ30
*
お昼ご飯を食べた後、館内巡りを再開。深海コーナーの摩訶不思議な魚達に興味津々になったり、ふれあいコーナーで恐る恐るナマコやヒトデに触ってみたり……。
色々な事をしていたら、お土産コーナーに立ち寄る頃にはもう日がかなり沈みかけていた。楽しい時間って、何故こうも早く終わってしまうのだろうか。
お土産コーナーで終さんとお揃いのマグカップを買い、私は両親へ、終さんは真選組の隊士さん達へお土産としてお菓子を買った。
『あ〜楽しかった! 今日はありがとうございました、終さん』
「〈こちらこそありがとう。楽しかったZ〉」
お土産屋さんの出口を出たら、すっかり日が落ちて辺りは暗くなっていた。とは言っても、歌舞伎町は夜でも賑やかな町だから、夜のネオンが灯ってまた違う明るさになってはいるけれど。
と、終さんが手を差し出してきた。その手を握り返すと、指を絡めて繋いできた。……こここ、これって、恋人繋ぎというやつなのでは……!?
まさか彼からやってくると思ってなかったので、心臓が早鐘を鳴らし始めた。ついつい繋いでいる手から伝わっていないかと心配してしまう。
「〈A、この後もう少し時間あるかZ?〉」
『え? あ、はい……日付を跨がないなら平気ですよ』
「〈なら、ちょっとついて来てほしいところがある〉」
ついて来てほしいところ……一体どこだろう?
想像なんてつく筈もなく。ただ到着するまで、彼に手を引かれるままついていく事にした。
*
『あ、あ、あの、終さん……こ、ここは?』
「〈料亭、真澄屋だZ〉」
『い、いや、名前は知ってるんですけども!』
連れてこられたのは、料亭『真澄屋』。何でこんなに私がテンパっているのかというと、この料理屋さんの肩書きというか経歴にある。
この真澄屋、所謂「老舗高級料亭」で、まず一般の人は中々いけないようなお高く質のいい和食を提供しているのだ。何でも、将軍様もお忍びで来られる事もあるとか……。
しかも個室での食事も可能らしい。……何かもう、この時点であまりにも自分には縁がなさ過ぎて眩暈がしてくる。
『お、お金足りるかな……』
「〈心配はいらないZ。僕が持つZ〉」
『えっそんな悪いですって! 自分で食べる分は自分で出しますから!』
「〈まぁまぁ。とりあえず、既に予約は取ってあるから行こう?〉」
『は、はい』
と、彼に連れられて店の中へと入っていった。
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うp主(プロフ) - 雫さん» コメントありがとうございます。恋愛要素としては随分あっさり気味な気もしますが、終さんの性格上これくらいが丁度よさそうだなと思って書きました。楽しんで頂けて良かったです! (2020年8月20日 13時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
雫 - めちゃんこ面白かったです!終兄さんが可愛すぎて禿げました(( (2020年8月20日 0時) (レス) id: 8419f9d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
うp主(プロフ) - ゆるさん» 遅レスすみません。ありがとうございます!今後終兄さんの夢小説がもっと増えたら良いな…と思う今日この頃です。 (2020年8月14日 14時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - 終兄さんカッコイイ…!面白かったです! (2020年5月13日 17時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
復活のU(うp主)(プロフ) - ロリコンじゃないシスコンだZ!さん» コメントありがとうございます。終さんかっこいいですよね、夢小説もっと増えても良いのになと思う今日この頃ですw 更新速度はムラがありますが、どうか気長に待って頂けると嬉しいです! (2018年6月25日 2時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うp主@
作成日時:2017年10月22日 15時