【銀魂 夢小説】Q.無口でシャイな彼を夢中にさせるには？【斎藤終】

Question23 ページ28

時は来た。腕時計の長い針が、丁度12を指した頃──舞台裏から、ブリーダーであろうお兄さんとお姉さん、水面下に大きな影が三つ現れた。



「皆さーん、こーんにちはー！ ようこそイルカショーへ!!」



観客からわあっと歓声が沸き立つ。私もその一つとなって、声を上げた。

声を上げてから、私はハッとした。周りは小さい子達ばかりなのに、その子達に紛れて……下手したら同じくらいのテンションではしゃいでしまった。

大人なのにお恥ずかしいところを……そう思いつつ、終さんの顔色を窺った。



『し、終さん何ですか、その妙に微笑ましい笑顔は！』

「〈はしゃいでて可愛いなと思っただけだZ〉」

『もう、馬鹿にしないで下さ……!?』



え、待って？ 今、私に向かって「可愛い」って言った？ 今まであんまり言われた事なかったのに、そんなにすらっと!?

目をぱちくりする私を、不思議そうに首を傾げながら見る終さん。……ナチュラルなのか確信犯なのか分からない!!



『な、何でもありませんよ！ ほら、イルカちゃんが跳んでます！』



何か改めて聞き返すのも恥ずかしかったので、露骨ながらも話題を逸した。

ブリーダーのお兄さんお姉さんの合図に合わせて、思い切り跳ねたり、輪っかくぐりをしたり……サプライズで、最前列の人の足元を狙って水飛沫を上げたり。

そうやって楽しんでいるうちに、ショーは終わりを告げた。



『あー楽しかった！ そろそろお昼ですね、館内のレストラン行きましょうか』

「〈分かったZ〉」



時間も時間だし、あまり混んでないと良いんですが……心配する点と言えば、それくらい。

終さんの手を引いて、昼食を食べるべくレストランへと向かった。

Question24→←Question22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す