Question1 ページ3
『……って事なんですよー、どうすれば良いと思います?』
「相談する相手間違ってませんかねィ」
ここは老舗和菓子屋の『桜花堂』。お高い和菓子を主に取り扱ってるんだけれど、勿論団子や羊羹などの軽く食べられるものも扱っている。
あ、紹介遅れました。ここの娘兼店員の桜井Aです。うち、家族経営なんです。
で、こちらにいる黒い隊服に身を包んだ茶髪の男の人。真選組という幕府の警察組織に所属している沖田総悟さん。うちの常連客でもあります。
いつもは笑顔で対応するんだけれど、今日はそうもいかなくて……その原因を話したんだけど、半眼で呆れられてしまい、軽く突っぱねられた。
で、その原因なんだけれども。
『だって三ヶ月ですよ!? 十二週間も進展なしですよ!? 終さんと仲良いんだったら、それとなく言ってやって下さいってば!!』
「誰がそんな面倒な事引き受けるかよ。それに、やるなら自分でやらにゃあ意味ねーでしょ」
なんて、沖田さんにしては至極真っ当な事を言う。
……自分の書類を自分で片付けない人に言われても、って感じはあるけれど。私、知ってるんですからね。
それはさておき、確かに彼の言う事は正しい。恋人同士の問題に、他人を介すのはどうなんだろう……やっぱり私自身がどうにかするしかないのだろうか。
「気持ちは分からなくもねーがな、終兄さんはただでさえ喋らねーし……硬派、ってかただ恥ずかしがってるんだと思いますぜ」
『そうなん、ですかねぇ』
「ま、カレカノの問題に他人が立ち入る隙なんざねーって事で」
『うぅ……分かりました』
団子を食べ終えた沖田さんは、団子の串を置いて緑茶を飲み干して席から立ちあがった。どうやら公務に戻るようだ。
……しかし、あの無口シャイ相手にどうやったら良いんだろう。
私だって、彼氏の方から手を繋いでもらったり、抱き締めてもらいたいものですよ。キスは……多分向こうが無理だろうから、まだ大目に見るけど。
唸りながら考えていると、沖田さんが去り際にこんな事を言った。
「彼女からのアプローチ次第だと思いまさァ。彼女の特権使って甘えて誘惑しまくればいーんでさ」
ゆ、誘惑って。まぁでも、甘えるっていうのはありかも。
あんな事言いながらもちゃっかりアドバイスしてくれた彼の後ろ姿に向かって、「ありがとうございました」と言った。
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うp主(プロフ) - 雫さん» コメントありがとうございます。恋愛要素としては随分あっさり気味な気もしますが、終さんの性格上これくらいが丁度よさそうだなと思って書きました。楽しんで頂けて良かったです! (2020年8月20日 13時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
雫 - めちゃんこ面白かったです!終兄さんが可愛すぎて禿げました(( (2020年8月20日 0時) (レス) id: 8419f9d8a6 (このIDを非表示/違反報告)
うp主(プロフ) - ゆるさん» 遅レスすみません。ありがとうございます!今後終兄さんの夢小説がもっと増えたら良いな…と思う今日この頃です。 (2020年8月14日 14時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - 終兄さんカッコイイ…!面白かったです! (2020年5月13日 17時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
復活のU(うp主)(プロフ) - ロリコンじゃないシスコンだZ!さん» コメントありがとうございます。終さんかっこいいですよね、夢小説もっと増えても良いのになと思う今日この頃ですw 更新速度はムラがありますが、どうか気長に待って頂けると嬉しいです! (2018年6月25日 2時) (レス) id: f8646b5aca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うp主@
作成日時:2017年10月22日 15時