第290夜 ページ10
ーNosideー
三方向別々と思われた黒い炎の砲撃は、一つに交わり、シンドリアに向けて放たれた。
「こんなの、無理だ…！！」
アラジンは思わず呟く。
「…いや、だめだ、もっと魔力を込めなきゃ…！」
このままでは氷と海水の二層の壁は間違いなく破られる。
そう呟いたAはさらに魔力を込める。
Aの体は徐々に限界が近づいていた。
あちこちの皮膚が裂け、粘膜からは血が流れ出る。
だが、それに比例するように、海水の壁は厚みを増した。
「お願い、止まって…！！」
そう願うAのそばで、今度は紅炎が魔装を切り替え、時雨が極大魔法を発動する。
「自信と剔抉の精霊よ…。
汝にが王に力を集わせ、天を貫く雷轟をもたらせ！！
極大魔法
時雨の雷の極大魔法が炎の砲撃の威力を減らさんと直撃した。
そして、紅炎は魔装をアガレスに切り替える。
「海を持ち上げろ…アガレス！！！」
そう唱えると、紅炎の大きな右手の甲の八芒星が光を放つ。
すると、海面から巨大な水上竜巻が空まで伸びる。
「止まれ…！」
「止まれ！！」
「止まれぇぇぇ！！！！」
その場にいたツクヨミを除く全員がそう叫ぶ。
…が。
ツクヨミの炎は威力こそは軽減したものの、それら全てを貫き、シンドリアに向けてさらに侵攻した。
「だめぇぇぇ！！！！！」
Aが思わず叫び声をあげる。
この威力であれば、ヤムライハが張ったシンドリアの結界も紙のように貫くだろう。
そして、シンドリアは炎に飲まれる。
「そうはさせないわ…！！」
王宮の上で再び全身魔装に身を包む紅玉が叫んだ。
「なりません姫！！！
まだほんの少し魔力が回復しただけなのですぞ！！！」
慌てた夏黄文がなんとか辞めさせようと抗議するが。
「だけど、止めなきゃ死ぬのは同じよ…！
私が止めてみせる！！」
そう叫んだ紅玉の背後に、巨大な八芒星が浮かび上がる。
「悲哀と隔絶の精霊よ……汝が王に力を集わせ、かの炎を滅する大いなる激流をもたらせ！！！
再び発動した紅玉の極大魔法は、炎の砲撃を覆い尽くすように襲いかかるが。
その海水すらも蒸発させ、ツクヨミの炎は突き進んだ。
「そ、んな…！」
この一撃で、紅玉の微小に回復した魔力は尽き、魔装は上空で解けてしまった。
「姫ー！！！」
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北狐(プロフ) - ユメさん» コメントありがとうございます！そうなんですか！！そうなんですか！！もちろんですよー！！(*´>ω<) (2021年7月2日 12時) (
レス) id: 77f9ebe255 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - めっちゃ面白かった！北狐さん！私もマギ好きなんです！もしよければ友達になってくれませんか？ (2021年7月2日 9時) (レス) id: c40c3ba588 (このIDを非表示/違反報告)
北狐(プロフ) - なこぞうさん» コメントありがとうございます！えええっ、嬉しいです…！pixiv版では内容少し変わってくると思います…！向こうは更新ゆっくりかと思いますが、そちらもぜひよろしくお願いします！ (2021年6月7日 21時) (レス) id: 77f9ebe255 (このIDを非表示/違反報告)
なこぞう(プロフ) - はじめまして！なこぞうと申します！pixivからきました！ものすごく面白くてリメイク版の方ですが一気読みしてしまいました（汗）更新頑張ってください！応援してます！ (2021年6月7日 13時) (レス) id: 55f0d7c163 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北狐 | 作成日時：2021年4月26日 22時
