第298夜 ページ18
ーNosideー
「あ？何だって？」
「何故勝てない…！？
魔導士じゃないくせに…！！」
焦ったスオウが感情をあらわにした。
大ぶりになった攻撃で突っ込んでくるが、それは先程までの比にならない強い魔法を纏わせた刀だった。
防げないと判断し、ツクヨミは咄嗟に避ける。
「お前は一族の恥だ…！！
魔法が使えない男が皇太子候補だと…？
ふざけるな！！！」
そう叫び、刀を振り回す。
ツクヨミはそれを何とか既のところでかわし続ける。
だが、それもスオウの次の言葉で止まってしまった。
「
スオウの刀は、避けられなかったツクヨミの首元を掠めた。
(…ゴ、イ…？
なんだ、それは…)
初めて聞いた言葉に戸惑った。
それと同時に意味を理解し、さらに困惑した。
(俺が魔導士じゃなかったせいで、スオウはこんなに変わってしまったのか？
だって、今、俺は…)
切られた首筋に手を当てた。
(あ、死んだわ)
そう思った瞬間、吹き出る血と共に地面に倒れた。
最後に見えたのは、泣き叫びながら駆け寄るアマテラスの姿と、真っ青になって固まるスオウの姿だった。
ツクヨミが目を覚ましたのは、スオウが皇太子に選ばれ、数日経った後のことだった。
その頃には、決して少なくはなかったツクヨミの支持者もほとんどいなくなっていた。
いや、黙らされたと言うべきか。
だが、ツクヨミは何とも思っていなかった。
元々皇位に興味はなく、自分やスオウよりもアマテラスの方がその座に相応しいと考えていたからだった。
…まさか、弟と切り合いになるとは思っていなかったのだが。
そんなツクヨミを救ったのは、あの時駆け寄ってきたアマテラスだった。
その頃稀代の天才魔導士とまで言われていたアマテラスの治癒魔法により、一命を取り留めたとのことだった。
ツクヨミは抜け殻のようになっていた。
負けたショックなどでは決してなかった。
あそこまで追い詰められた弟に気づけなかった悔しさからだった。
そして、皇宮に居場所を無くしたツクヨミは、下町にいる時間が増えた。
その頃、下町で1人の男と出会った。
その男は、自らを"流れのまじない師"と自称し、名をイスナーンと言った。
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北狐(プロフ) - ユメさん» コメントありがとうございます！そうなんですか！！そうなんですか！！もちろんですよー！！(*´>ω<) (2021年7月2日 12時) (
レス) id: 77f9ebe255 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ - めっちゃ面白かった！北狐さん！私もマギ好きなんです！もしよければ友達になってくれませんか？ (2021年7月2日 9時) (レス) id: c40c3ba588 (このIDを非表示/違反報告)
北狐(プロフ) - なこぞうさん» コメントありがとうございます！えええっ、嬉しいです…！pixiv版では内容少し変わってくると思います…！向こうは更新ゆっくりかと思いますが、そちらもぜひよろしくお願いします！ (2021年6月7日 21時) (レス) id: 77f9ebe255 (このIDを非表示/違反報告)
なこぞう(プロフ) - はじめまして！なこぞうと申します！pixivからきました！ものすごく面白くてリメイク版の方ですが一気読みしてしまいました（汗）更新頑張ってください！応援してます！ (2021年6月7日 13時) (レス) id: 55f0d7c163 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：北狐 | 作成日時：2021年4月26日 22時
